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どんぐりと山猫 [youtube]



 宮澤賢治原作『アヨアン版-どんぐりと山猫』が完成したので、公開。5月に一旦完成してから、いくつもの改善すべき点、指摘を受けた部分を作りなおし、追加で制作し、当面できるだけのことはやった。とはいうものの、不満な所はいくつもある。が、それをやると最初から作り直しになってしまうので、その反省は次回作に生かすつもりである。実際に一定の長さの映像作品を作ってみて、Movie Studio14の使い方にも少し慣れてきたし、録音はどうすべきか、撮影する為にはどのような道具が必要なのかなど、具体的な問題点が明らかになった。
 例えば、どんぐりたちが裁判で自己主張する場面では、アニメーションで言えば3プレーン(層)になっている。最前列のどんぐりたち、二列目のどんぐりたち、背景画。劇団にいたので、昔の舞台のことは分かるから、舞台の天井に吊ってあるバトンの必要性を、大いに感じた。常設のバトンなど室内にないので、天井からビニール紐を左右から一本ずつ下ろし、その紐にどんぐりたちの乗っているパネルのようなダンボールを吊り、更に、紐で動かないように固定する。(この時の撮影の様子を見ていた家内が、作品を作成しているところをビデオに撮ると面白いかも、と言っていたが、そうかもしれない。私も、準備をしたり撮影したりしながら、劇団で制作をしたり、舞台装置の立て込みや転換をしたことを、懐かしく思い出した。個人的に、映画のメーキングは、現場の雰囲気が分かるので好きである。)
 撮影のことを考えると、バトンのある小型の舞台があったほうがよいかもしれない。背景も、PCのモニターに貼り付け、その前に本を平積みにして、人形の立つ舞台の高さを調整したり。兎に角、撮影するのは一苦労である。
 人形について。紙粘土で主役3人は作ったのだが、一体ずつしか作っていないので、感情、姿勢や顔の表情の変化が出せない。人形の操作も、一人でやっているので、ビデオカメラのモニターを覗きながら、何度か練習してから、何回か同じ場面を撮る。心の中でtake1とかtake2などと言っているのだ。首が胴体とは別に動くようになっている方がよいが、そうすると人形の操作に集中しなければいけないので、カメラによるズームイン、アウトなどはできるわけもない。
 人形の操作について。練習不足、知識不足が映像に表れてしまった。特に、二体を扱っている時は、片方に注意が行ってしまって、他方がいい加減になった。自分しか操作する人間がいないのであれば、人形も一体ずつ撮影すればよかったのかもしれない。
 クロマキーヤーによる合成は、あちこちで使わざるをえなかった。この機能を使うと、色が劣化するので、多用すると画面が汚くなることもよく分かった。

 次作も宮澤賢治の童話を予定しているが、今回のような紙粘土による人形作りだと、撮影するとなるといくつもの難関が予測される。今度は、雑な棒人間でもよいので絵コンテを用意してみようと思う。作り方を大幅に変える可能性もある。
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へこきあねさ

アヨアン・イゴカーさん
「へこきあねさ」へのご訪問、ありがとうございます。
「どんぐりと山猫」拝見させていただきました。
これを全部ひとりで創ったのですか。
素晴らしい(^O^)/
音楽がいいです。映像も舞台設定も以前やったことが
あるというだけ、人形劇団的な仕上げになっていますね。
紙ねんどの猫などはほんとによくできています。
ただ、男の子の歩き方などは手が動かない、という点を
さしひいても不自然です。 でも、映像をとりながら、
人形を動かしながら、は ちょっと無理があるのかなぁ。
観客は男の子の中に自分を見ます。それが不自然だと
興覚め。 
宮沢賢治が本の中で言いたいことはドングリ裁判を通して
子供たちに伝わります。しかし、映像となると、裁判官の
声の強弱やドングリたちのバカげた争い、もう少しアップ
テンポでも良いかと思われました。 私たちが人形劇を
創る場合、15分くらいを限度にしております。
以上、こちらこそ生意気にあれこれ申し上げて失礼を
いたしました。御免なさいまし。
by へこきあねさ (2020-07-06 13:37) 

Enrique

大変な力作だと思います。
朴訥としてしみじみとした感じ,何が起こるのだろうとわくわく感。
場面に応じたオリジナル楽曲は全く素晴らしいと思いました。
一方少し間延び感があるところは編集の余地もあるのかなと。技術面では,音声に少し聞き取りにくいところがあるのと,(実際一人でやると困難だとは思いますが)映像のピント位置を明確に意識されるべきかなと思いました。
by Enrique (2020-07-06 17:16) 

momotaro

意欲的な映像作品拝見&拝聴しました。
素晴らしいですね、こんなの作っちゃうなんて。
Enrique さんに倣って感想を述べさせてもらうなら、キノコの音楽のところ、音符の踊りはもう少し控えた方が良いかな、いい音楽が聞こえているので・・・と感じました。
by momotaro (2020-07-07 04:37) 

アヨアン・イゴカー

ストックン様、扶侶夢様、鉄腕原子様、ビタースイート様、@ミック様、かずのこ様、トックリヤシ様、ChinchikoPapa様、めもてる様、carotte様、Enrique様、森田恵子様、momotaro様、さとふみ様、Mitch様、くらま様、yam様、ネオ・アッキー様、ハマコウ様、kazg様

皆様nice有難うございます。


by アヨアン・イゴカー (2020-07-11 17:09) 

アヨアン・イゴカー

へこきあねさ様

詳しいコメント有難うございます。

>観客は男の子の中に自分を見ます

このご指摘は、とても有難いです。
一郎の撮影には、本当に苦労しました。それは人形の造形による制限がかなり大きかったと思います。
次回作以降では、いくつも改善することが出来そうです^。^

Enrique様

音楽について、お褒め頂き、とても嬉しいです。有難うございます。

殆ど人形達も背景も動かない試作段階では、昔のNHK『チロリン村』のようで、懐かしさを感じる、とも言われましたが、流石にあのままではと思い、静止画は殆ど動画に差し替えました。
テンポの問題は、ご指摘のように、圧縮、短縮した方がよい箇所も数箇所あります。(自分ではそのままでもよいか、とも思いましたが、テンポについては、他にも複数同様のご意見がありましたので)

次回作は、人形の素材を大幅に変えることも考えています。

momotaro様
コメント有難うございます。
同様のことは家内からも言われました^^;
折角撮ったから、少しでも多く使ってやろうという助兵衛な心がいけませんね。(撮影した分の3分の1以下しか使ってないのですが、それでも、ちょっと使いすぎですね。)

原作では、キノコたちは、白いキノコの楽団となっているので、本来であれば楽器を演奏している風にしたかったのですが、如何せん、楽器を演奏する映像を撮るのが現スタッフでは不可能と判断しました。楽器をそれらしく、しかも小さく作り、キノコに手をつけたりく、それを動かす・・・(それだけで1ヶ月掛かるかも)
その結果、音符を重ねることで表現してたのです。が、音符達は、なかなか思うように動いてくれませんでした。糸で動かしたり、磁石で裏から動かしたり・・・^^;
by アヨアン・イゴカー (2020-07-11 17:29) 

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