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北海道の思い出 その23 [北海道の思い出]

 今日は久々に『北海道の思い出』の続き。約2回分ほどの分量をとばす。

童謡の絵本 一九五〇年十二月

 

 一九五〇年十二月には、嬉しいクリスマスプレゼントが長姉に送られてきた。八冊の童謡の絵本である。この絵本の挿絵は、日本画壇の錚々たる人々が担当していた。黒崎義介、松田文雄等名前を思い出せないのが残念であるが、母がこれらの画家たちは日本を代表する挿絵画家たちだと教えてくれた。子供の頃から歌の大好きだった私は、この姉に送られてきた絵fukiya koji - aladdin and the magic lamp.JPG本の頁を繰っていることで、想像力を掻き立てられたものである。

 掲載されていた童謡には次のようなものがあったのを覚えている。純粋に日本の童謡、賛美歌、西洋の童謡。

日本の童謡で言うと、『村のはずれのお地蔵さん』『お猿の駕籠屋』『ぽっぽっぽはとぽっぽ』『虹の馬車』『歌を忘れたカナリヤ』『あの町この町』『赤い帽子、白い帽子』『夕焼け小焼け』『お山の大将』『赤い靴はいてた女の子』『おかあさま、泣かずにねんねんいたしましょう』『村の渡しの船頭さんは』『月の砂漠』『ちんから峠』『しょしょしょじょ寺』『ぶんぶく茶釜』『雨雨ふれふれ母さんが』『かもめの水兵さん』『おうまのおやこ』『うさぎうさぎ何見て跳ねる』『お菓子の汽車が走ります、お釜はまあるい唐饅頭』『こいのぼり』『出て来い出て来い池の鯉』『めだかの学校』『なんなんなんの南京さん、南京さんのツバメは南京言葉』『森の木陰でどんじゃらほい』『みかんの花が咲いている』『この道』等。賛美歌では『麗しき朝も、静かなる夜も』を覚えている。西洋の童謡では『メリーさんの羊』。

この絵本に関しては、挿絵について述べておかなければならない。『虹の馬車』で言うと、七色の大きな虹の橋を、走ってゆく馬車の絵が描かれていた。銀のお鞍に金の鈴、夢のお馬車はしゃんしゃんと、可愛い姫さま、王子さまを、乗せてぱかぱか何処へ行く、と言う歌詞の通りの絵であるが、私のお伽の国に対する憧れを起こさずにはおかなかった。『メリーさんの羊』の挿絵では、赤いドレスを着た金髪の少女の後を子羊が追うところが描かれていた。羊は日々目にする家畜だったので自然だったが、メリーさんの服装と顔と金髪が見知らぬ世界への好奇心をそそった。賛美歌『うるわしき朝も、静かなる夜も、食べ物着物を下さる神様』は松田文雄の絵だった。牧場に西洋の少年と少女が立っている朝の情景が描かれていた記憶がある。私にはこの「静かなる夜も」の部分の旋律が気に入った。風景はやはり北海道では目にすることのできる、見慣れたものであった。


※今日掲載している絵は、童謡の絵本とは関係がない講談社の絵本ゴールド版『ふしぎなランプ』の一部分である。挿絵は蕗谷虹児、文は川端康成という豪華版である。絵はアラジンが魔人の力に依って手に得る事の出来た王女。

 


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コメント 4

Enrique

最初の子供が生まれたとき,兄が童話の初版本(の復刻版)を大量にくれました。残念ながら子供に見せても余り興味を示さず,死蔵して私がたまに引っ張りだして眺める状態です。かつての童話や絵本も(かつての子供の)大人の方が惹かれるまさしく総合芸術ですね。
蕗谷虹児の挿絵,(手塚治虫などの)現代の漫画にも通じるものがあると思いました。
by Enrique (2012-12-09 21:37) 

lamer

魔法のランプがあるといいですね。
コメント有難うございます。
MMご購読いただき有難うございます。
此れからもよろしくお願いいたします。
by lamer (2012-12-10 15:51) 

mimimomo

こんにちは^^
留守中ご訪問ありがとうございました♪
昔の絵本や童謡は夢がありましたね。
ここに書かれている童謡の中に幾つか知らないものがあります。
でもほとんどがつい唄いだしたくなるような懐かしいものばかり(^^
by mimimomo (2012-12-14 12:55) 

sig

アヨアンさんは子供の頃からこのような世界に溶け込んできたんですね。
蕗谷虹児は郷里新潟の出身ということがなくても大好きな抒情画家です。「金襴緞子の帯締めながら・・・」の「花嫁人形」も蕗谷虹児の作なんですね。
by sig (2012-12-14 16:19) 

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