SSブログ

抽象画 その2 [絵画]

 このところ妻の薦めてくれているDVDを見たりしている。成瀬巳喜男監督作品である。『浮雲』『稲妻』『流れる』『女が階段を上がる時』。作品としては、私は『流れる』が一番好きである。この映画については後日書く事になると思う。
 今日は、12色クーピーペンシルとボールペン、修正液、万年筆、フェルトペン、色鉛筆などで描いている抽象画の続きである。2010年10月5日から7日に掛けて、あれこれ悩みながら描き上げた。abstract 2010-10-7.JPG写真では残念ながら朱色がくすんで見えるのだが、実際には夕焼けのような朱色と赤の混合である。この作品では文字が装飾として入っている。Schoenとkoehnと言う文字を万年筆で書き込んである。koehnと叫んでいるからと言って左に居る鳥は雉ではない。また、shoenと書いてあるからといって何かが美しいのでもない。中央下にあるものは電柱に似ているが、宮沢賢治のエポレットをつけた電信柱を想像しなかった訳ではなく、やっぱり思い出していた。月夜の晩に電柱たちが行進している姿は、凛々しい。そしてその電柱のようなものの上に咲いているのは、博物誌の挿絵をやっぱり思い出していたのだ。
 やっぱり私は、原始美術から自由ではない。根源的な、大地の母の持つエネルギーからは自由ではない。

nice!(74)  コメント(9) 

nice! 74

コメント 9

mimimomo

おはようございます^^
絵を描く事に限らず、人間は骨の髄までしみこんだ《無意識に》ものから
自由ではないですね。
自分でも逃げ出したいと思うことはありますが出来ない相談です。
by mimimomo (2010-10-18 07:41) 

いっぷく

映画は読みあさるようないいかげんな見方をする場合も多いのですが、
そんな映画はCGを多用して映像的には面白い場合もあるのですが
感激度は低くて短期間で忘れ去ってしまいます。
その反面古くてもモノクロでも琴線に触れる日本映画などを観るとしみじみいい映画を観たなあという思いがします。
by いっぷく (2010-10-18 10:04) 

matcha

この絵を見た最初の印象は、壁画かなと思ったんですね。
オレンジの色が、壁の色、魚や鳥が描かれていると思ったけど
よくよく見ると、わからなくなってしまいました。
でも、最初見たイメージは、そのまま変わろうとしませんでした。
by matcha (2010-10-18 21:50) 

雉虎堂

ご無沙汰しておりました!!

クーピー、懐かしい
こんなにやさしい色が出るんですね
ナスカの地上絵や
ラスコー洞窟の壁画を思い出しました
by 雉虎堂 (2010-10-19 22:33) 

Enrique

前回の絵よりも分りやすいですし,茜色もきれいです。
言葉の形としての力も感じられるのですが,それはプリミティブではないと自問されるのですね。

by Enrique (2010-10-20 21:38) 

youzi

赤い色がとても素敵です。
水彩画なのかなって思いましたが
違うんですね。

by youzi (2010-10-22 22:33) 

アヨアン・イゴカー

kurakichi様、今造ROWINGTEAM様、chiho様、SILENT様、orange-beco様、野うさぎ様、ほりけん様、ChinchikoPapa様、Stanley様、glennmie様、スー様、さとふみ様、めぎ様、江州石亭様、be-sun様、Mineosaurus様、mimimomo様、nyankome様、chee様、galapagos様、旅爺さん様、いっぷく様、CountryBoy様、doudesyo様、bee-15様、yakko様、もめてる様、yukitan様、りんこう様、schnitzer様、ナカムラ様、ミモザ様、matcha様、兎座様、ryo1216様、よって様、YUYA様、dorobouhige様、kakasisannpo様、yoku様、くらま様、よっちゃん様、miffy様、らくだ様、パブロン様、utilil様、optimist様、雉虎堂様、+k様、sak様、sig様、桜貝の想い出様、水郷楽人様、Enrique様、スマイル様、アマデウス様、漢様、大善士様、ぼんぼちぼちぼち様、youzi様、悠実様、とらさん様、siroyagi2様、ゆきねこ様、くーぷらん様、にすけん様、kaoru様、zak様、こさぴー様 皆様 nice有難うございます。

by アヨアン・イゴカー (2010-10-25 00:56) 

アヨアン・イゴカー

mimimomo様
結局のところ、人生、決められた通に進んでゆくような気がします。
これは運命論的な考えではなく、結果論としてそう感じるということなのですが。好きなことをやり続ける以外に、生きられない、と思います。

いっぷく様
心の機微を描いている日本映画、結構気に入っています。最近は、自分の中で、高峰秀子がとても好きです。声も、姿も、顔も。それは恐らく演技力に裏づけされているから惹かれるのだろうと。

matcha様
なるほど、壁画ですか。意識していませんでしたが、そう見えなくもないです。

雉虎堂様
クーピーペンシルは奥が深いですね。紙の質にもよるのでしょうけれど、クーピーペンシルの重ね塗りについても、お互い乗りのよいものとよくないもの、比較的よく混合するようなもの(よく混ざり合う)があります。それゆえ、塗る順序も大切です。これはもう、理科の実験のようです。

Enrique様
ここでは言葉の意味よりも、形の方を美の一部として考えています。

youzi様
水彩絵具は、ここではバーミリオンを本の少しだけ、隙間を埋めるために使いました。絵具の発色はよくないのですが、クーピーペンシルと合わせると、よくなるように見えます。

by アヨアン・イゴカー (2010-10-25 01:09) 

青い鳥

画面上部の茜色も、電柱の上の赤もとても美しいですね。
電柱が目に入った途端に、宮沢賢治を思い浮かべましたが、
間違ってはいなかったのですね。
by 青い鳥 (2010-10-26 14:00) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。