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キリコ風 その3 [日記・雑感]

 少しもキリコ風ではないかもしれないが、キリコを思いながら描いていたのでキリコ風と名づける。
 新宿駅西口から徒歩3分ほどの場所、西新宿に「ばんやき ぼるが」と言う店がある。旧青梅街道と新青梅街道の間の細い20161002DSCN3117.JPG通りに面している。職場が直ぐ近くだった時、毎日その店の横を通り出勤する。煉瓦の塀があり、一部苔むしていている。交差する角に位置していて、その角が開口部になっている。そこには囲炉裏のようになっていて、夕方店が開くと、モツなどを焼いているのが見える。煙が外に漂うように、設計されているようだ。中に入ったことはないが、雰囲気のある店で、ロシア文学、ボルシェビキ、コサック、ロシア民謡、チェーホフ、ドストエフスキー、カチューシャ・・・などロシアに関する言葉を連想する。肉を食べないので、行ったことがなかったが、店内がどうなっているのか興味津津である。あるブログ記事によると、寺山修司、山田洋次監督、高田純次なども訪れていたそうだ。
 ちなみに、新青梅街道に面して、栃木屋という店が昔は「取ってきて食はせるやまくじら 栃木屋」(逃げる猪の絵と猟銃で狙っているハンターの絵付き)という広告を小田急線の車内出していた。小学校の時この「食はせる」が正しく読めなかったので「たべはせる」とよみ、「たべはせる」とはどういう食べ方なのだろうと疑問に思っていた。30年以上前にこの店の前を歩いていた時、猪が吊り下げられていたのを見てぎょっとしたことがある。今はその店はなく、栃木ビルと言う建物になっている。ビルの入居者を表示する金属板には「栃木屋」と言う文字が、インキをはがされてはいるがしっかりと読み取れる。この証拠がなければ、自分の思い違い、記憶違いで終わっていたかもしれない。
 「キリコ風その3」の左の煉瓦は、ばんやきぼるがの塀も思い出しながら描いた。私は、人のいない波止場や海辺の風景が好きだ。それでも無機的なものだけしかないのは苦手。
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扶侶夢

囲炉裏という言葉から『ボルシチ』を思い浮かべてしまいました。

人のいない波止場…時刻は夕暮れ時でしょうか?
アヨアン・イゴカーさんもどちらかと言えば北国志向(嗜好)のように推察しますが。
by 扶侶夢 (2016-10-16 12:45) 

sig

こんにちは。
子どもの頃、「食はせる」という文字表現は兄たちの教科書などを読んでいたので知っていました。「思はせる」なども同様ですね。山クジラを2頭、二階建ての高い軒につるした店が相模湖の南の宮ケ瀬ダムにあるのを思い出しました。
by sig (2016-10-16 16:58) 

森田惠子

久しく行っていませんが、ぼるが、何度か行ったことがあります。
by 森田惠子 (2016-10-17 01:00) 

Kanna

素敵な挿絵ですね。(しみじみ…)
今日は何となく心が疲れていたので、アヨアンさんの挿絵の風景が心に染み渡りました。
海の方に向かっている生き物は猫ちゃんでしょうか?
レンガの建物の窓、手前のグレーの壁、黄土色の地面、猫ちゃんのような生き物、遠くに見える海、そして何とも言えない静けさ、とても落ち着きます^^
私もこの絵の中に入ってみたいです(笑)
by Kanna (2016-10-18 20:02) 

アヨアン・イゴカー

扶侶夢様、mimimomo様、芝浦鉄親父様、kazg様、carotte様、yu-papa様、Chinichiko-Papa様、ネオ・アッキー様、sig様、りんこう様、Mitch様、miffy様、かずのこ様、夢の狩人様、マルコメ様、森田恵子様、majyo様、めもてる様、八犬伝様、ぼんぼちぼちぼち様、せとっこ様、ビータースイート様、kohtyan様、schnitzer様、lequiche様、えれあ様、いっぷく様、caveruna様、ぜふ様、めぎ様、yam様
皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2016-10-22 13:22) 

アヨアン・イゴカー

扶侶夢様
絵からそのように感じられたのですね。
私は北海道十勝の生まれ(いたのは小学校1年生の二学期まで)ですので、やはり根幹には北国への憧れが強く残っています。同時に、南(沖縄やタヒチなど)への思いも。高校生の頃は、自分はやはり北海道、北国の人間なのだと強く意識していました。

sig様
小学校の頃、正月には百人一首かるたで毎年遊んでいましたから「けふ」などの表記は知っていましたが、食はせる、は暫く保留状態でした。
山クジラ、吊るしてあるのは、なかなか迫力がありますね。こういうのを見るのは、私は苦手ですが。

森田様
味のある店だとは思っていましたが、結構有名な場所なのですね。昨日も一昨日も用があって、その店の前を通りましたが、やはり煉瓦が美しいです。それと、外からも二階のランプ風の明かりが見えますが、あれもなかなか風情があります。

Kanna様
私は、建物の間から見える開放的な空間、或いは植物に取り囲まれたこじんまりした空間が大好きです。とくに植物に取り囲まれた空間は、冬の日の午後など太陽の光を浴びながら過ごしたい空間です。

海の方を見ているのは猫です。特定の猫を思い出したのではなく、ただ自由人としての猫が、向うの海を見ているのです。
by アヨアン・イゴカー (2016-10-22 13:39) 

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