出版計画 変更

　残念ながら、出版計画は当初の予定を大幅に変更することになった。N氏は完璧を期する人間である。だから、今回の作品は彼は自分について書かれた部分は自分の気の済むように変更したい、しかし私にそのような変更を求めるほどの「神経はない」ので、彼について書いた文章は私の他の作品に入れ替えて欲しい、と書いて寄こしたのだった。その手紙が今日届いた。私は何度も電話を掛けるが、彼はいっかな出ようとしない。多分いるのだろうと思う。1998年の時と同じである。
　実は、このようになるかもしれないという予兆はあったのだった。５月下旬に、私の元に、彼から手紙が送られてきた。書かれていることは非常にまともで、私は自分の過去の言動に恥じ入るばかりであった。正直にそれを詫びる手紙を書いて、彼から許してもらったと思っていたのだが。
　結局、私は彼に依存していたのだった。しかし、もう依存できない。自分自身で信じることを最後まで貫くばかりだ。それ以外に道は、方法は残っていない。
　今日の絵は、5月25日頃彼と電話で話し、妙な違和感を感じて描いた。その後彼からの手紙が届いた。感じたのは埋めることの出来ない溝であった。幾ら手を振っても答えない。勢いをつけて跳べば跳び越して向こう側へゆくことが出来るのかもしれないが、それをする勇気（勇気なのか、情熱なのか、嗜好なのか）もない。そして、彼からの手紙の衝撃が大きく、この絵は5月頃に公表しそうになった。しかし、そうしないで、なんとかこの溝を埋めようと努めた。彼には、しっかりと詫びて、どれだけ私が彼を必要としているかを訴えた。それによって、関係は修復できたはずだった。そして、この溝に橋を架けて完成とするつもりでいたが、ずっと放置していた。そうしたら、橋は結局架けることができないままで終わってしまったのだった。
　さあ、私は今日から仕切りなおして、出版の第二弾を練り直すことにしよう。

コメント 8

おはようございます＾＾
難しい関係ですね。「ものを書く」と言うことをしたことがないのでわからないですが、著者の自由と言うことはないのでしょうか？
橋が掛けられなかった「溝」永久なんでしょうかしらね。寂しいことです。
by mimimomo (2016-09-25 06:18) 

最後の一行に期待しております

by majyo (2016-09-26 18:11) 

埋められない溝ならぬ，橋も架からないですか。
by Enrique (2016-09-26 19:55) 

なかなか難しい問題ですね。。
でもアヨアンさんはきちんと自分のお気持ちや問題や行動を整理されて、仕切り直されて、新たなチャレンジに向けて頑張られていて、とても偉いなと思います＾＾
（芸術の）表現について言えば、それに関わった人間達が真剣に考えれば考えるほど、それぞれの主張が強くなってしまうのは致し方ない事だと思いますし＾＾、どちらが正解でどちらが不正解という問題でもなさそうな気もしますし＾＾、個人的にアヨアンさんの紹介されるご友人の作品は気になる所ですので＾＾、またいつかお互いのお気持ちが近付いた時には、お2人にとって望ましい形で完成した作品を拝見させて頂ければと思います＾＾
そしてアヨアンさんの出版計画、引き続き楽しみにしていますね（*＾m＾*）
by Kanna (2016-09-27 12:19) 

自分の事を描くのも容易では在りませんが・・・
人の事を書くのは難しいですね。
by lamer (2016-09-27 15:27) 

こんにちは。それは残念ですね。
このように予測できない事柄が発生するのはクリエイティブワークにつきものですね。そんな点もあって、今進めているドキュメンタリーはすべて私一人でアマチュア精神を発揮してまとめ上げようと苦慮しております。
by sig (2016-09-29 11:22) 

Dorakenbeginner様、般若坊様、gigipapa様、mimimomo様、かずのこ様、schnitzer様、森田恵子様、carotte様、tommy88様、ChinchikoPapa様、めもてる様、Mitch様、夢の狩人様、いっぷく様、dumbo様、旅爺さん様、SILENT様、caveruna様、えれあ様、kohtyan様、majyo様、八犬伝様、せとっこ様、lamer様、ぼんぼちぼちぼち様、sig様、Enrique様、はなだぐも様、めぎ様、siroyagi2様、ソレイユ様、ねじまき鳥様、山子路爺様、maoctobre8様、kazg様
皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2016-10-02 11:56) 

mimimomo様
今回はもう諦めています。
変人度指数（0～100）のようなものがあるとするとこんな風になるかもしれません。

0（零）・・・神のような、絶対的な存在　
10～25・・・聖人君子、本物の紳士淑女諸君（異説あり）　
45～65・・・一般人
65～80・・・アヨアン、Ｍ氏（本人は違うと主張するかもしれませんが）
80以上　Ｎ氏

※この指数では80を超えると、医師免許を持っていないと対応できない可能性が非常に高くなります＾＾；

majyo様
これで最初の予定通りになります。第二弾は詩集です。

Enrique様
精神力、忍耐力、時間が必要になりますが、これ以上待っている時間がありません。
それでも、彼とのやり取りは非常に有意義で、貴重な時間だったと思います。世間には全く受け入れられずに否定すらする人々の方が多いかもしれない彼の生き方を私は描いたので、それを公開して置きたかったので、残念ではあります。が、仕方のないことと諦めました。

Kanna様
もっと早い段階で衝突するかと思っていたのですが、あっさり了解してもらって進めていたのです。20代の頃に、詩を書いている女性と短い間付き合っていましたが、その時の別れも突然でした。化学物質過敏症のようなものでしょうが、一定の精神的な水瓶の容量を超えると、拒否、拒絶状態に陥るのです。何が貯まってゆくのかが分からないので、これは専門のお医者さんにお任せしなければと思います。
今回の作品は、以前に書き始めている小説「Ｎ氏の肖像」で描いてゆきます。こちらは、私が頭の中で拵えている彼の理想像しか登場しませんので、彼個人とは全く関係がないからです。

lamer様
人のことを書くということは、自己がある以上とても難しいと思います。誰でも、少しでも自分を好く見せたいからです。恰好悪いところも併せて自分なのだ、と言えるだけの度量がないと、他者には些細に思われることが大きな不快感になってしまうのかもしれません。

sig様
基本的には、自分ひとりで完成させることが重要だと私も思います。完成する前に他者に見せると、あれこれと考えを述べられて、ぐらつく危険もあります。
ドキュメンタリー、どのようになるのか楽しみです。　　
by アヨアン・イゴカー (2016-10-02 12:35)