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アヨアン・イゴカー氏歯医者へ行く [日記・雑感]

 先週辺りから、何だか右側の奥歯が痛いような気がし始めた。痛いようなと言うのは、栗の里の愉快な女房殿もその少し前から歯が痛いと言って大騒ぎをしていたからである。彼女の場合、痛くて食事も満足に出来ない、という酷い状態だった。試しに凝りに凝った肩を押してみると、「あれっ?そこ効くみたい。」と言う。少し按摩すると、「何だかよくなってきたみたい。」と言う。その後自分であちこちツボを押しているうちに歯痛が止まったといって喜んでいる。映画の券の販売を頼まれたり、あれこれ心配事も同時に起っている為、心労も大きかったのだろうと思う。それらが筋肉の硬直を引き起こし、それが歯痛となって現れたようである。だから、私も女房どのよろしく歯痛は気のせいなのではないかと思ったのである。
 とは言うものの、実際に右の奥歯は痛くて噛めないので左側の歯ばかり使うことになった。常時顔をしかめるほどの痛みではないが、何だか気持ちが暗くなってくる。
 やむを得ず、歯医者に行くことにする。8年以上間が空いている。駅前のM歯科医院の予約を取ろうと電話すると、今週の土曜日は予約が取れないと言う。仕方なく、電話帳で調べて、一度世話になっているもう一つのN歯科医院に電話する。空いている。こちらの方が20メートルほど駅から遠いのだが、先に開業していた。元々N歯科医院に行っていたのに何故Mに変えたのかと言うと、M歯科医院が出来てから、両親もこちらに行って評判が好いと聞いたからである。別段N歯科医院が悪いわけではない。
 久々に今日の12:00にN歯科医院へ行った。待合室には絵のような粘土細工の人形が置いてある。20140524.JPG歯医者が患者の身体に足を掛けてヤットコで歯を引き抜いている像なのだ。抜かれた歯は少し大きめに作ってあり、血が付いている。涎掛けのような布にも血が付いているし、口にも血が見える。前回来院した時にも置いてあったのだろうが、すっかり忘れていた。昔の歯医者は確かに結構乱暴だった様だ。ヤットコは勿論、木槌もぶら下げてあったと言うのは聞いたことがある。
 しかし、何故、N歯科医師はこのような像を置いているのか。開業祝にギャグ好きの友人に貰ったのかもしれないが、子供が見たら恐がるのではないか。
 「アヨアンさん、どうぞ。」と呼ばれ、診察椅子の上に横になる。
「12年ぶりですね。」
「そのくらいになりましょうか?」
「あの時は被せ物が取れて、それをもう一度付け直したんですね。その後、何にもなかったんですか?」
「ええ。」
「歯が丈夫ですね。」
「先生腕がいいから、あの後何にもなかったんですよ。」
N医師は歯医者にとってよい顧客ではないアヨアン氏のこの言葉ににやりとした。
続いて問診。
「右の奥歯が上下、一週間ほど前から、噛むと痛くなるんです。」
「口を開けて下さい。」
「ふーん。別に悪いところはないようですね。」
「でも、噛むと痛いんです。」
「うーん。じゃぁ、ちょっと検査してみましょう。」とレントゲン室へ移動。歯全体のレントゲン写真を撮る。
「見たところ、悪いところはないんですけどね。」
「はぁ、そうですか。」
「ところで、会社とかで健康診断受けてるでしょう。どこか悪いところとか、再検査とかありませんでした?」
「胃に少し潰瘍ができたりしましたが、ピロリ菌を退治してからは、まあ順調です。」
「他には、どうです、血圧とか血糖値とか。」
「血圧は問題ありません。でも、血液検査で引っかかって、再検査とでました。でも、放っておいて昨年受けたら、問題なくなっていました。」
「もう一度、口を大きく開けてください。問題ないなぁ。」と暫く考えている様子。「あれっ、これ、これ。なんだ。これですね。親知らずの下の方が虫歯になっている。分かり辛いとことろで、歯も磨き辛いところですよ。他はしっかりと磨いてあるのに、ここだけ残っている。抜いちゃいましょうか?でも、根っこがしっかりしているから、神経を抜きますね。」口を開けたまま、私は頷く。
 ということで、本日早速治療をして頂き、痛みが取れた。奥歯の痛みは激痛ではなかったが、痛みがないことは、これほどの精神的に負担が軽くなるのかと、今日は改めて感じる。来週も予約してN先生の所へ行く予定だ。12年前に「保険の範囲で治療しますか、もっとお金を掛けますか?」と聞かれ「保険の範囲でお願いします。」と答えたのだったが、N先生、話しやすくて面白い人だと思った。N歯科医院が今日空いていて本当に好かった。
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コメント 10

mimimomo

おはようございます^^
歯科医は歯を見れば治療の痕跡で分かりますものね。
「ニヤリ」だったのでしょうね(^^
それにしても絵が面白いです^^ 足で患者の体を支えるなんて(^0^
by mimimomo (2014-05-25 06:40) 

sig

こんにちは。待合室の粘土細工は、なぜそんなものを置いてあるのか、どこか滑稽ですね。でも、ジョークの分かる先生らしいですね。
私も現在、右下の奥歯の治療中です。やはり歯は抜かずに、神経を抜き、その隙間から薬を入れているようです。
by sig (2014-05-25 11:33) 

青い鳥

8年間も歯科医にご無沙汰できるアヨアン・イゴカー様、凄いですね。
余程しっかりと歯磨きをなさっていらっしゃるのでしょう。
私のお世話になっている歯科医は3ヵ月に1度はチェックが必要と
案内が来ます。
by 青い鳥 (2014-05-25 13:03) 

Enrique

日本語で歯医者のことをどうしても思い出せなかった外国人が,苦し紛れに「歯大工」と言ったという話がありましたが,「何とか医者」とくくるよりも,デンチストですから,むしろ外国人の直感の方が正しいのかもしれません。N歯科医院の置物の話などでそれを思い出しました。おかげでスムーズに受診治療が出来たようで何よりです。
by Enrique (2014-05-25 13:53) 

schnitzer

私も先週あたりから痛み始めてます。
そろそろ歯科医院に行かないといけないようです。
by schnitzer (2014-05-25 19:32) 

lequiche

良い歯医者さんのようでラッキーでしたね。
良い歯医者さんに当たるか悪いのに当たるのか、
私は真剣に運命論とか考えてしまいます。
「歯医者運」が悪いもので。(^^)
by lequiche (2014-05-25 23:39) 

Kanna

私の彼も現在、虫歯の治療中です^^
そういえば少し前、「虫歯の治療の痛みは平気」とおっしゃっていたアヨアンさんの言葉を思い出し、その話を彼にしてみました。
どうやら彼もアヨアンさんと同じで、そうした痛みだけは平気なのだそうです。
男性は虫歯の痛みに強い人が多いのかしら、羨ましい限りです^^
絵の粘土人形は確かに小さなお子さん達が怖がりそうですね!(笑)
by Kanna (2014-05-27 22:19) 

youzi

面白いお人形がある歯医者さんなんですね。ちょっと怖いかなと思いますが、一気に抜く姿を見ていると、麻酔をせずに歯を抜いてもらえそうな感じもしてきました。歯の痛みが取れて良かったですね。
by youzi (2014-05-28 12:53) 

アヨアン・イゴカー

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by アヨアン・イゴカー (2014-06-01 23:27) 

アヨアン・イゴカー

mimimomo様
昨日、この像を再度見てきたら、色と格好、あれこれ違っていました。思い出しながら描くのは、とても難しいと感じました。

sig様
根を抜かずに薬を入れる、確かにそのような治療をされている様です。次回、詰め物をすると言っていましたので、仮の詰め物も無くなるのでしょうか。治療中、眠くなってしまうので、よく覚えていません。(笑)

青い鳥様
私は父は立派な歯を持っています。母はとっくに総入れ歯です。
家内は、歯が丈夫ではありません。丈夫かどうかは、生まれつき(誰の分を遺伝したのか)と言うのが大きいとつくづく感じています。

Enrique様
歯大工とは面白い話ですね。大工さんと言うと玄翁やカケヤやらを使って荒々しい印象もありますが、仕上げはかなり丁寧です。私のお世話になっているN先生も、丁寧に治療をしてくださっていると思います。

schnitzer様
歯の痛みと言うのは頭部の一部ですから、集中力を欠いて嫌ですね。早く治療されると好いですね。痛みが取れると、どうして憂鬱だったのかと、別人になってしまいます。

lequiche様
歯医者運、そういうめぐり合わせは間違いなくあると思います。
家の家内は、歯医者ではありませんが、演出家とか芝居仲間とか、
聞いていると巡り合わせがよくないようです。人生は糾える縄の如しと言いますから、その内に好い方に反転すると信じていますが。

Kanna様
Kannaさんの彼も治療中とは、やはり虫歯で苦労する人は多いのですね。
この紙粘土細工はなかなか精巧に出来ています。細い指の一本一本作ってあります。尤も、細すぎて折れてしまっているのですが。
また、その内に紙粘土細工もやりたいと思っています。
by アヨアン・イゴカー (2014-06-01 23:45) 

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