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HARLEY-DAVIDSONの話 [随想]

 昨日は稲城市にあるいつもの床屋へ行った。大分髪が伸びて気になっていたのだったが、やっと昨日行くことができた。清々しい天気だったが、黒雲も西の方に見えていたので、天気が変わるのではないかと気になり、少し早足で歩く。到着した時は少し汗ばんでいるくらいだった。
 洗髪などしてもらっているうちにすっかり眠くなってしまい、「後ろもこんな風にしておきましたよ。」と声を掛けられた時直ぐに返事ができなかったのも一寸気恥ずかしかった。まぁ、それも、腕がよいから眠くなるのよ、と思っておく。
 8月からは予約制になるという。理由を尋ねると、店で床を掃いたり、洗髪をしたりして手伝っていたお嬢さんが、理容師美容師試験を受験しなければならないからだそうである。8月に実技試験、9月に筆記試験があるようだ。HPの説明によると、関係法規・制度、公衆衛生、環境衛生、感染症、衛生管理技術、人体の構造および機能、皮膚科学、理容の物理・化学、理容理論の知識が問われる。確かに、ここに書かれている内容はどれも理容・美容に直接関係のある事項ばかりであり、大切な項目だと思う。是非、合格して欲しいと思う。
 支払いを済ませて水槽を置いてあった場所をみると、水槽の変わりに自動二輪が置いてある。
「あれ、水槽なくなっちゃったんですね。」
「えぇ、バイク買っちゃいました。」
「あ、これはナナハンですか?」
HARLEY-DAVIDSON 20140518.JPG「いえ、883ccあります。」
「そんなにあるんですね。これもHARLEYですか?」
「そうです。」
 ここの若旦那はHARLEYの愛好家である。既に1500ccで2002年の物を所有している。仲間とたまにツーリングにゆくが、イージーライダーのような派手なことは全く興味のない人々の集まりである。HARLEYの音を楽しむそうである。
「音を楽しむんですか?」
「HARLEYは二気筒だから、本当は音は偶数になるんですけど、チューニングによって馬のようにパカパッパカパッというリズムに聞こえるようになるんです。だから、HARLEYは鉄の馬とも呼ばれているんです。」
「なるほど。ここにSCREAMIN' EAGLEと書いてあるのは何ですか?」
「それがチューニングのパーツ屋さんですよ。HARLEYはエンジンが胴体に直についているので、振動が直接身体に伝わってくるんですよ。だから、尻は痛くなるし、ハンドルを握っていると痺れてくるので、時々片手にするんですよ。あんまり、長距離はきついかもしれません。」
その話を聞いて私は直ぐにチェーンソーを使って痺れが来る白蝋病を思い出したが、その時は言わなかった。
「お尻が痛くなると言うのは、鞍をしないで裸馬に乗るようなものでしょうね。馬の背骨って、痛いですからね。」
「そうかもしれませんね。」
「ところで、私の義兄は昔陸王に乗っていたんですよ。今は売ってしまって持っていませんが。」
「陸王ですか。持っていれば、かなり高く売れるでしょうね。」
やはり、希少価値なのか、陸王はバイク乗りの中では有名な自動二輪らしいことが改めて分かった。
「こちらにあるバイクは2002年のFatboyでそっちのは883(はちはちさん)でSportsterで2003年製。お義兄さんに聞いてみられるといいですよ。きっと知っていると思います。」
「えぇ、聞いて見ます。今日も勉強になりました。有難うございました。」そういってから私は店をでた。

 こんな会話して私は楽しんだのだった。帰宅後義兄にこの日の会話のことを話したら「ずいぶん詳しいひとだねぇ。」と行っていた。勿論、会話の内容は全部知っていることのようだった。何事も奥が深く、興味深いものだと思う。

※絵のSportster(883)は赤だが、実際のバイクは座席シートも取り外してあり、色も真っ黒に改造してあった。


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sig

会話の内容も楽しかったのですが、HARLEYのスケッチが素敵ですね。私の友人もHARLEYに乗って遊びに来たりしていたのですが、歳だから、と最近手放したようです。
by sig (2014-05-18 14:29) 

Enrique

そちらにいらっしゃると,ハサミやらメカやら男性好みの話題になりますね(もっともバイクの女性も増えているようですが)。
大型オートバイの世界は,小型のものとは全く異なったものようです(私自身は原付にしか乗った事はありませんが)。今でも贅沢なものですが,かつては大変高級な趣味だったようです。遠縁にあたる出版人の兄は,私が知っているのは寝たきりになった姿ですが,若い時分インディアン・ロードレーサーに乗っていて事故を起こして足の骨だかに金属を埋め込んでいたと言う話でした。大きなバイクは小さなものよりずっと安全ですが,多少の危険はあっても,馬で駆けるのと同様,男子のロマンなのでしょうね。
by Enrique (2014-05-19 12:49) 

mimimomo

おはようございます^^
男だったらなぁ~ って^^ ハーレーって乗ってみたいです。
by mimimomo (2014-05-20 06:53) 

Kanna

前記事の夢のお話もとても面白かったです^^
私はきっとアヨアンさんの奥様と気が合いそうです(笑)
ところで、今回の記事のバイクの絵、こういうものまで描けてしまうって凄いですね!
私は機械的なものを描くのが苦手なので、純粋に凄いなと思いました^^
バイクやツーリングと言えば、昔働いていた歯科に、バイクとは無縁そうな、とても女の子らしい可愛い子がいたのですが、実はバイクとツーリングが趣味で、休日には男の人達と混ざって走っていたという話を聞き、とても驚きました。
人は見かけによらないと言うのは、こういう事なんだなと思いました(笑)
ところで、床屋さんの水槽はどこへいっちゃったのかしら?(笑)
by Kanna (2014-05-20 13:31) 

青い鳥

こんばんは。
私のブログにご訪問とコメントを有難うございました。
バルテュス展、見応えがありました。
彼のアトリエの再現も2度と目に出来ない貴重なものだと思います。
by 青い鳥 (2014-05-20 22:53) 

アヨアン・イゴカー

silverag様、lequiche様、makimaki様、ChinchikoPapa様、八犬伝様、えれあ様、青い鳥様、めもてる様、くらま様、アリスとテレス様、常武鉄道様、flutist様、toraneko-tora様、kurakichi様、般若坊様、doudesyo様、ビタースイート様、夢の狩人様、シラネアオイ様、せとっこさ様、めぎ様、kinkin様、旅爺さん様、シルフ様、glenmie様、carotte様、Enrique様、月夜のうずのしゅげ様、砂漠のラクダ様、りんこう様、optimist様、唐糸様、mimimomo様、大善士様、かずのこ様、森田恵子様、gigipapa様、youzi様、さとふみ様、sig様 皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2014-05-24 22:31) 

アヨアン・イゴカー

sig様
Harley-Davidsonと聞くと、私の場合、両親が知っていたコロンバンの社長が愛用していたを直ぐに思い出します。そのため、実際にはどれがナナハンなのかHarley-Davidsonなのか知らないのに、言葉、音に反応してしまうのです。写真で見ても、乗り物と言うのは美しいものだと感じます。

Enrique様
私は自分の情緒が不安定な時があるので、事故を起すのが恐くて、自動車を購入することは考えもしませんでした。ただ、劇団にいた時は、頻繁にトヨタハイエースや日産キャラバンの運転をしていました。運転をしている時は少しは自動車に興味を抱いたりしましたが、今ではそうでもありません。
義兄が彼が乗っているモノクロ写真を見せてくれましたが、陸王という単車はなんだかごつくて格好いいと思いました。リクオウと言う言葉の響きも魅力的です。

mimimomo様
女性のライダーも格好いいと思います。女性のナナハン乗りもいるそうですが、私は240kgもある単車を起すことが出来る女性と言うのは、なかなか素敵だと思います。

Kanna様
バイクの絵、描くのに一寸苦労しました。メカがあると、あまり出鱈目に描くと、見る人が見ると「素人が適当に描いた」と直ぐに見破られてしまうので、構造も意識しました。V字エンジンや後ろのウインカーは話をしたので覚えていましたが、前のウインカーについては話さなかったので、適当に描いてしまいました。その他、ブレーキやらスターターやらあれこれあるのでしょうが、訳が分からなくなって途中で諦めました。
水槽はどこへ行ってしまったのでしょうね。以前、アマゾンの鯰を飼っていましたが、大きくなりすぎて、ペットショップに引き取ってもらったと行っていました。今回もそんなことではないかと、想像しますが、実際はどうでしょう。

青い鳥様
バルテュス展、今度こそは行くことにしています。タッチが少し、一時期のピカソに似ていると感じる絵もありますね。楽しみです。


by アヨアン・イゴカー (2014-05-24 22:54) 

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