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第1回アートイマジン芸術小品展へ行く [日記・雑感]

 昨日の土曜日午後は国立のARTIMAGINE Galleryへ『第1回アートイマジン芸術小品展』へ行く。こちらのブログにもコメントを書き込んでくれるKannaさんの作品が展示されているというので、それを見に行くのが主たる目的だ。小田急線は相武台駅構内で人身事故が14:00過ぎにあったとかで、急行や準急などが運休になっている。出かけるにはちょっとした障害だったが、ダイヤの乱れやら電車の遅れなど気にせずにゆくことにした。
 国立駅は久しぶりに下車すると、駅の改札の場所が変わっている。改札の場所は変わったばかりのようで、男性が立って「新しい改札はこちらです。」とラウドスピーカーで時々案内している。

 ART IMAGINE GALLERYは国立市東1-15-33ヒロセビル5Fにあり、駅からほんの徒歩で数分である。一つだけ気になるのは、エレベーターが小さいことで、一昨年の地震のことを考えると、極力使いたくない。
 DSCN2122.JPGエレベーターを降りると、左手にすぐに一つ目の展示室があった。そこには大賞を受賞したSさんのインスタレーション作品1点、レリーフ作品3点が展示してある。そして壁には彼の制作意図のような文章が掛けてある。断定的で挑戦的にも感じられるが、それは若さゆえの情熱、希望による革新への宣言でもある。それを読んでいると、若い男性が焙じ茶を出してくれる。しばらくすると、彼が「こちらが作家さんです。」とSさんを紹介してくれる。私が問いかけるより先に、いろいろと考えを説明してくれる。まだ大学二年生だと言う。彼のインスタレーション作品は、鳥の鷽(ウソ)と人間の嘘とが掛詞になっている。6畳ほどの空間の壁の一つが全部使われている。それぞれの水田のような形のものには水が張られていて、鍾乳洞や棚田のように見える。そして、田圃の畦道には鷽が正面を向いているが、その鷽は紙粘土で作られている。田圃にはスライムが入れてある。彩色はされていない。
 Sさんは既に、ディスプレイの仕事などもしているそうだ。静岡出身だそうだが、静岡で上演される『展覧会の客』と言う芝居の美術・アート作品制作を担当した。彼と暫く話した。
 その後、絵の展示に移る。まず特別賞のOさんの作品が面白いと思う。続いてKannaさんの作品を見る。パソコンの画面でみるのと異なり、小さな絵それぞれに光沢があり、一つの世界観で纏まった作品である。床がチェックの絵『遊戯的思考の推薦』を見ていて、楽しくなってくる。彼女がこんな雰囲気の舞台美術を描いたら不思議な芝居になるのではないかと思う。それは『油断』と言う作品についてもどうようである。そして楽しかったのは『迷走』と言うレリーフ作品。レリーフなので横からも見ることが出来る。これは、現物が展示されていて見れてよかったと思う。すぐに何かを連想するとか、刺激を受けて作品を作りたくなるというのではないが、間違いなく私の記憶の中にしっかりと留まり、どこかで思い出したくなる作品である。
 DSCN2121.JPG見終わると出口に置いてあった『芸術の存在意義「展」No.11~この時代における作品の在り方~』案内葉書をポケットに入れる。面白そうだ。時間があれば是非来て見たい。
 帰宅。勿論下りは階段を使う。
 国立の駅へ向かいながら、私は久しぶりに満ち足りた気分になった。15年も前は、ほぼ毎週日曜日詩人のN君と楽しい芸術の会話ができたのに、このところそれがまるで出来ない状態になり、欲求不満になっていたのだろうと思う。作品を作っても、それをしっかりと受けとめて正当に評価してくれる人間がいないと創作意欲にも、方向性にも大きな影響を及ぼしたのではないか、と思う。


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Enrique

よい刺激を受けられたようで何よりです。
今度ある「芸術の存在意義『展』」No.11も面白そうです。存在意義そのものを問うと言う,本質にせまるもののようでね。
by Enrique (2013-01-21 07:33) 

tree2

はじめまして。ご訪問とnice! ありがとうございました。

アヨアン・イゴカーさまのブログを拝見、絵が楽しくて、ずうっとさかのぼって見てしまいました。私のリンク集に加えさせていただきましたので、今後ともよろしくお願いします。


by tree2 (2013-01-22 00:33) 

Kanna

アヨアンさん、この度はお忙しい中、展示会にお越し頂きありがとうございました。
記事を書いてくださった上にリンクまで、本当にありがとうございます。
展示会の方はお陰様で昨日、無事終了いたしました。
アヨアンさんがおっしゃっていた大賞を取られた方の個展も楽しく拝見して来ましたよ。
ご本人がいらっしゃいましたので、色々とお話させて頂き、舞台装置の裏側のお話まで聞く事が出来ました。
若い方のエネルギーや行動力って素晴らしいですね。
若いからこそ出来るという事も多いのかもしれませんが、諦めずにやり遂げるチャレンジ精神や情熱というのは、いつまでも持ち続けたいものだなと改めて思いました。
by Kanna (2013-01-22 11:32) 

yuyaさん

作家さんと作品を前にしてお話するというのは収穫がありそうですね。アヨアンさんがどんなお話をされたのか気になりました。
by yuyaさん (2013-01-22 20:22) 

アヨアン・イゴカー

mimimomo様、kinkin様、404様、kurakichi様、doudesyo様、Halumi様、駅員3様、flutist様、ChinchikoPapa様、CROSTON様、glennmie様、くらま様、めもてる様、野うさぎ様、gigipapa様、yam様、そらへい様、月夜様、Enrique様、rie-klavier様、扶侶夢様、海を渡る様、シラネアオイ様、carotte様、はくちゃん様、lamer様、sun-high様、tamanossiomo様、kohtyan様、りんこう様、tree2様、suzuran6様、sig様、krause様、青い鳥様、ミスター仙台様、アリスとテレス様、Rita様、やってみよう♪様、マチャ様、shin.sion様、kiyo様、(。・_・。)2k様、ゆきねこ様、miffy様、SILENT様、月夜のうずのしゅげ様、caveruna様、schnitzer様、兎座様、山子路爺様
皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2013-01-27 19:55) 

アヨアン・イゴカー

Enrique様
先週土曜日は久々に、刺激を受けて帰ってきました。
存在意義と言われると、気になります。行けるとしたら第二期になるとは思いますが、まだ決めてはいません。

tree2様
過去の記事、遡って頂いたとの事、有難うございます。
今後とも、宜しくお願いします。

Kanna様
今回のKannaさんの作品、拝見していて楽しくなりました。
Kannaさんのブログには、写真がアップしてあるので、記憶を再度確認できました。折角行っても、展覧会でも図録を買わないと、殆ど忘れてしまいます。やはり写真による記録は大切ですね。

yuya様
音楽や演劇ですと、楽譜や台本が自分の手許にも一つの作品として残りますが、絵画や彫刻やオブジェなどの場合、購入されてしまうと自分の作品から作家が離れてしまうことになります。それについてどう思うか、などと訊きました。彼はインスタレーションを作ったりしているので、その作品を映像にとっておけば、それで自分の活動の証になるので、買われてゆくことは問題ではないと言っていました。
by アヨアン・イゴカー (2013-01-27 20:11) 

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