作品2010-2-06土曜日 [詩・散文詩]
2010年2月6日(土)
甲高い声が冬の空に響く
彼女はカシラダカのようにきょろきょろしている少し年上の女に席を譲った
こんな時、時間はそれこそチューブから押し出された練り歯磨きのように
ゆっくりと変化してゆく
その肥満体は青空を背にして娘に喋り続ける
殆ど止まることなく喋り続ける
青空の東には、怪しい雪雲が接近してくる
この透明な青さ、眩しい太陽は
いつまで囀っていられるのだろう
(人間は人間に対して利己的であり、人間以外に対しては更に利己的である。利己のためにはいくらでも理屈は作られる。嘘八百を並べることもお手の物。自己の存在は常に正当化される)市松模様のLouis Vuitton
人間の欲望が価値を生み出す
黄金の国ジパングでは鉄が貴金属
ダイヤモンドの国スワジランドでは自由と平等が宝石である
女旱に男旱
ことほどさように人間が価値を決定する
絶対的価値ではなく、いつだって相対的価値が人間の間では重要なのである
肥満体と青空は途中で馬車を降りた
今、太陽の光は弱まり
がらがらの郵便馬車を嘲っている
梅の木はくの字に切りなさい
と親方が言う
それ以外のひらがなを描こうものなら
植木鋏が飛んでくるから始末が悪い
ほら、太陽が雲に呑み込まれたじゃないか
2010-02-19 16:54
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コメント(3)
ゆきねこ様、アリスとテレス様、旅爺さん様、mitu様、ムク様、ChinchikoPapa様、yakko様、ハギマシコ様、野うさぎ様、flutist様、kaoru様、アマデウス様、doudesyo様、ムーミン様、ひろきん様、sera様、kurakichi様、YUYA様、もめてる様、+k様、Krause様、ララアント様、雉虎堂様、えれあ様、くーぷらん様、yoku様、zenjimaru様、sig様、suzuran様、toraneko-tora様、よっちゃん様、chee様、takemovies様、ciscokid様、miffy様、moz様、ほりけん様、くらま様、mimimomo様チョコシナモン様、kakasisannpo様、yablinsky様 皆様 nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2010-02-21 23:07)
この挿絵、とても良いですね。
散文には、理屈は要りませんね。
by SAKANAKANE (2010-02-28 12:16)
ナカムラ様、sak様、さとふみ様、うに様、Mimosa様、takechan様、扶侶夢舎様、SAKANAKANE様、SILENT様 nice有難うございます。
SAKANAKANE様
この絵、お褒め頂き、有難うございます。とても小さな絵ですが、自分でも気に入っているのです。自分には抽象的な絵画への傾向が強いかもしれないと感じています。
ホアン・ミロやカンディンスキーのように、楽しくなるような絵が沢山描きたいと思うようになっています。
by アヨアン・イゴカー (2010-03-04 23:49)