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Melancholic Spring 憂鬱な春 [youtube]

 今日は恒例の花見に愉快な女房殿と出掛ける。残念ながら既に一部葉桜になっていて、道の脇が桜の花びらが落ちて薄桃色に染まっている。おまけに薄ら寒い天気のために、歩いていて初めて身体が温まる。
 午後二時半頃だったが、麻生川沿いの桜の並木下には花見のためにシートを広げている人々がいる。数は随分少なく、年配者、それも男性が多い。出店もいくつかあるが、どうも活気がないように見える。何しろ、帰り支度をしている人々もいる位なのだから、盛り上がるはずもない。
 今年も写真機は携帯していたのだったが、一枚も撮る気になれず、用事のある女房殿と別れてからは、そのまま買い物に行った。野菜の値段が高止まりしている。通常の倍の価格になっている。天候の不順による物価の値上がりは、常に人間の脆さを知らしめる。
 ところで、今日は中学校の時からの親友の作った曲を編曲でもしておこうと考えていたのだったが、どうもその旋律を編曲する気が起こらない。やむを得ず、自分が書いた短い歌曲の方にする。題名は『春』だったと思うが、中学時代の五線譜ノートがどこかに行ってしまったので確かめることができない。友人Hokassan君が選び出した詩に旋律をつけたのだった。私が選んだのはデーメルRichard F. L. Dehmel(1863-1920)短い詩である。

春になる
かすみ始める
沼のここで
ころ、ころ
初蛙
めでたや

このような詩だったと思う。デーメルについてはよく知らないが、wikipediaによればR. Strauss, A. Schoenberg, A. Webernなどが曲を付けている。発禁処分になった詩集もあるようで、頽廃的作品を書く詩人だったらしい。機会をみて、本を借りてみよう。

DSCN2717.JPG 書いたのは『春』で英語の題は"Melancholic Spring"である。オーボエで歌うのが原曲で、前後に書き足して、反復も入れて2分以上の曲になった。写真は本日、我が家の近所で撮ったもの。そして、英文は大学一年の時の必修科目の英語で読まされてから大好きになったGeorge GissingのPrivate Papers of Henry Ryecroft 1903『ヘンリ・ライクロフトの私記』の春の一部。嗚呼、Gissingもまた読み直そう。
https://www.youtube.com/watch?v=OB9BIoLrkgQ&feature=youtu.be
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コメント 10

Enrique

詩の意味するところは中々読み取れませんが,アヨアンさんの音楽の中の憂鬱には,いらだちや危機感もある様に感じました。
by Enrique (2015-04-04 22:47) 

mimimomo

おはようございます^^
 わたくし、こういう曲好きです。
by mimimomo (2015-04-05 06:29) 

majyo

毎回書くかもしれませんが、音楽については語れません
しかし
>愉快な女房殿と出掛ける

軽やかな旋律が聞こえましたよ(#^.^#) 良いなあ
by majyo (2015-04-05 20:48) 

Kanna

動画良かったです、ゾクゾクしました!
不安になるようなメロディと毛細血管のような木々、春をイメージさせる優しいメロディと「大草原の小さな家」を彷彿とさせる野原。
この対比が1曲の中で交互に繰り返されている所が、とても面白かったです^^
もしかすると、アヨアンさんの描かれた桜の絵が出て来るのかな~と思っていましたが、良い意味で期待を裏切られました^^
by Kanna (2015-04-06 10:49) 

lamer

決めつける事は出来ませんが・・・
イメージとして牧神が現れて来そうな感じがしました。
長閑な香りがただよっているような・・・。
by lamer (2015-04-06 14:53) 

sig

こんにちは
曲は「憂鬱」ではなく、明るい春の感じがしました。私にはとても分かりやすく親しみやすい曲です。写真、とてもいい感じですね。
by sig (2015-04-06 15:33) 

yuyaさん

今年の桜は、雨の中で見た記憶が多いです。
雨に散る姿も美しいですが、お花見となると、やはり晴れていた方が良いですね。
by yuyaさん (2015-04-08 18:23) 

アヨアン・イゴカー

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皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2015-04-12 20:33) 

アヨアン・イゴカー

Enrique様
苛立ちや危機感、あるかもしれません。中学校時代に書いた旋律にはそのような意味はありませんが。
このデーメルの詩は、発禁処分になった詩とは異なり、単純に春の到来を喜んでいるのではないかと思います。

mimimomo様
有難うございます。伴奏が少しおどろおどろしく感じるられるかと思ったのですが、そうでもなかったようで。

majyo様
もともとの旋律は単調だけなのですが、今回は長調を遣って希望の光としました。

Kanna様
このコメント、とても嬉しいです。私もこんな風に感じたました。
今回は絵を描いていられなかったので、写真で済ませてしまいました。でも、好きな柿やニワトコなどの写真を紹介することができたので、それもよかったかと思います。

lamer様
牧神、いいですね。とても素敵なイメージです。コメント有難うございます。

sig様
曲の後ろが長調になっているので、明るい印象もあると思います。
暗いだけでは嫌なので、こんな風にしたのです。
柿の木のシルエットが大好きで、いつか絵にしたいと思って、今回写真に収めました。自然と言うのは本当に素晴らしいですね。
by アヨアン・イゴカー (2015-04-12 20:46) 

アヨアン・イゴカー

yuya様
今年の桜、満開のものを見たのは仕事中、移動している時でした。
それ以外は葉桜ばかりで残念です。ゆっくりと、家内と歩きながら、つまらないことを話しながら、そんな風にあまり構えないで見るのが楽しいですね。
by アヨアン・イゴカー (2015-04-12 20:48) 

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