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緊急心象スケッチ2014-07-18 [詩・散文詩]

July18 2014.JPG 緊急心象スケッチなる作品を、突然書きたくなった。そして電車の中で書いた。それが以下の作品である。

緊急心象スケッチ2014-07-18 金曜日

 帰去来辞ならぬ緊急心象スケッチである

嫌であれば去ればよいのだ
今の私にはそれが許されるのだから
雨露を凌ぐ屋根がある
風を遮る壁もある
捻ればでてくる水もあり
煮炊きできるガスレンジもある
多少埃が多くとも暖を取る布団もあり
喜びや悲しみや怒りや楽しさを共に分かち合うことのできる妻もいる
悪戯を仕掛けて遊ぶことの出来る
気まぐれな猫達もいる

帰去来兮
田園将蕪 胡不帰

作らねばならない作品達は
私が着手するのを今や遅しと待っている
放置された作品たちは
仕上げられるのを首を長くして待っている
そして既に作り上げられた作品達は
日の目を見るのを薄暗い書斎兼アトリエ即ち仕事場で
すっかり疲れて待っている
彼らをしっかり纏めて世に出すことだけでも大仕事だ

帰去来兮

妻もそれを法螺貝をボーボー吹きながら応援してくれている
ピアノもバイオリンもチェロも
私が音楽を奏でるのを待っている

何故に揺らぎ石の上で平衡を取ろうとしているのか
何が楽しくて焼けたトタン屋根の上で片足で瞑想しているのか

屈んで地面を見れば
蟻たちが忙しそうに動き回っている
地中では蚯蚓たちが土を耕している
ダンゴムシたちが枯れ葉を食べている
ヒヨドリも気儘に飛び回り
郭公も暢気に啼いている

帰去来兮

※私の心象スケッチを、ほぼ毎日1つずつ書いているが、金曜日には前日つまらないことが職場であったために、このような詩を突然書くことになってしまった。「きんきゅう」と「ききょらい」は何となく音が近かったので、また、帰去来辞の心境になっていたので、この詩が生まれた。
※なお、絵は2014-07-18に描いたものであるが、詩とは何等関係がないし、猫を描こうと思って描き始めたのでもなかった。このところ描いていたいくつかの小さな絵を栗の里の愉快な女房殿に見せたところ、この絵はアヨアン・イゴカーらしさがでているからいいのではないか、と言われた。そこで今日載せることにした。


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コメント 7

mimimomo

おはようございます^^
目が可愛らしいロボットさんに見えますが、ちょっと困惑しているようにも・・・
色々書きたい・描きたい作品があるのは素晴らしいですね。アイディアが髣髴と沸いてくるのですよね、きっと。
by mimimomo (2014-07-21 06:21) 

doudesyo

お早うございます。
毎日描いていらっしゃるんですね。流石です。絵はこころを映し出すなあって経験上思っているので絵を見るとその時の状況が現れますよね。
^^;
by doudesyo (2014-07-21 08:10) 

シルフ

この絵はいいですね。好きです。
クレーのような自由な絵を描かれるんですね。素敵です。
by シルフ (2014-07-21 08:36) 

Enrique

チャンネルが沢山あるアヨアンさんなら,ストレス事象であっても表現の肥やしになるものと思います。詩は心にせまってきます。
絵のほうは,リーマン面に顔が浮かび上がっているように感じます。アルファベットは何かの暗示があるものと思います。
by Enrique (2014-07-21 09:31) 

sig

こんにちは。この絵から、映画「トロン」に登場するコンピュータ内の擬人化されたCPUを思い出しました。でも、こちらは3階建ての円形美術館のようにも見えます。目鼻口が展示品なんです。
by sig (2014-07-21 11:12) 

アヨアン・イゴカー

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皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2014-07-27 17:16) 

アヨアン・イゴカー

mimimomo様
やりたいことは学生時代から沢山あるのですが、それを纏められないでいます。最近は、大分焦っています。

doudesyo様
絵は、毎日は描いてはいませんが、かなり頻繁に描いています。時々、数週間以上の空白期間がありますが。
※今回毎日書いていたのは詩の心象スケッチの方です。

シルフ様
お気に召したとのこと、嬉しいです。
構想を練りながら描くこともありますが、無念無想で描くことも結構あります。

Enrique様
リーマン面!?wikipediaで見ましたが、よく分かりません。複素平面を変形したもの?!
>球面やトーラスは複素構造を持ち得るが、メビウスの輪、クラインの壺および射影平面は持ち得ない。
意味が分かりませんが、それでもメビウスの輪やクラインの壺は好きです。一度、クラインの壺について記事を書いたことがあります。

この詩は、陶淵明の帰去来辞を参考にしていますが、官吏を辞して帰郷する陶淵明の感情が、陶淵明を下敷きにしたのは私の気持ちにはぴったりしていたからです。

sig様
この絵は、適当に線を引いていたら、目鼻を付け加えたくなり、更に猫のような耳を付け加えたくなったのです。この絵には、蛍光ペンも使用しています。そのため、通常の色よりも発色が好くなって、少々派手な印象を与えるかもしれません。
確かに、傾斜路のある駐車場のビルのようなものも思い出しながら色塗りをしました。美術館もいいですね。

by アヨアン・イゴカー (2014-07-27 17:36) 

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