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国立新美術館へ『貴婦人と一角獣』を見に行く [絵画]

 昨日ふと『貴婦人と一角獣』展を思い出す。7月15日(月)までである。10日間勘違いしていた。慌てて行こうと考えるが、体調が悪く、中止。土台、暑過ぎるのだ、今年の夏は。七月が通常の八月上旬のような天気が連続しているから、体も慣れるのに大忙しなのである。
 さて、本日は気合を入れて乃木坂まで行くことにする。国立新美術館は、乃木坂から濡れずに行けるので、場所としては好きな美術館である。今日は日曜日だから、大分混み合っていることを予想しなければならない。案の定、混雑している。仕方ない、一旦ETVで放送されてしまえば、それは覚悟しなければならない。
 このタペストリーは数十年前から日経新聞のカラー印刷を見てから強く惹かれている。ブログのyoku様が、クリュニー美術館にあるものを動画http://yoku.blog.so-net.ne.jp/2009-01-08として掲載されていたのを見て、その大きさに驚いた。(トラックバックが上手くできないので、urlを貼り付けしました。)それ以来、機会があれば是非見てみたいものだと思っていたタペストリーである。
 色が大分褪せているが、それでも充分に美しい。赤地や黒地に満遍なく隙間なく描かれた植物、動物などが、少しだけサラセンの永久に続く模様を連想させる。また、マチスの『赤い部屋』やゴーギャンの彩色も、このタペストリーに通じるものがあると感じる。色つきのラシャ紙に、マジックや絵具で絵を描くと、とても美しいことに気付いたのは20歳をすぎてからだった。白以外の紙の上に絵や文字を書くと、独特の美しさがでてくる。それはこの赤地のタペストリーと一緒である。
 植物や動物だけを抜き出した写真も展示してあったが、どれもデザイン的に可愛らしく魅力が溢れていた。兎や犬やジェネット、隼、鸚鵡、カササギ、ジキタリス、シオン、ハナダイコン、マーガレット、オダマキなど、どれも本のカバーや鞄にしてもよく、ため息が出るほどだった。
 実は、Youtubeで既に一度発表している『中世騎士物語』は、この『貴婦人と一角獣』の”Mon seul desir”(我が唯一の望み)を基にして絵を描いた。http://www.youtube.com/watch?v=kTr4Chgf8Ww
『貴婦人と一角獣』の曲としては、雰囲気が余りあわないかもしれない。
SSCN2319.JPG そして、今日再びこのタペストリー作品に強い感動を覚えた私は、一枚の絵を描くことになった。この絵は黒地に一角獣と兎、ライオン、鳥が描かれている。ライオンは代々木上原駅で快速急行を待っている時に目に入った広告の写真をスケッチしたものを顔の部分だけ参考にした。
 尚、何故か『貴婦人と一角獣』の一角獣は偶蹄類として描かれているのが気になった。一角獣は馬に角が生えた生き物に見えるので、私の一角獣は前回も今回も奇蹄類として描いている。この写真は白熱灯を使っているので、実際よりも赤味が差してしまっている。こうやって見ると、残念ながら中世の雰囲気は出ていない。でも好いのだ、描かずにはいられなかったのだから。
 
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Kanna

yoku様のブログの動画とアヨアンさんの作られた動画(懐かしいですね)を拝見いたしました。
確かに雰囲気や絵柄が似ていますね^^
最初の動画のタペストリー?は確かに大きくて迫力があり、ぜひ私も観てみたいなと思いました。
アヨアンさんの絵とタスペトリーの絵は確かに似ていますが、それでもアヨアンさんの絵はアヨアンさんの絵の魅力があります。
描かずにはいられないという気持ちを大切に、これからも素敵な絵を観せてくださいね^^
by Kanna (2013-07-15 21:22) 

Enrique

今回の絵は,今までのアヨアンさんの絵とはまた異なったシックな色あいで,これはこれで魅力だと思います。
by Enrique (2013-07-16 19:30) 

アヨアン・イゴカー

Rita様、kurakichi様、めぎ様、gigipapa様、Mineosaurus様、シラネアオイ様、kinkin様、doudesyo様、JR浜松様、carotte様、有城佳音様、常武鉄道様、caveruna様、ミスカラス様、flutist様、山子路爺様、suzuran6様、ビタースイート様、ChinchikoPapa様、glennmie様、アリスとテレス様、めもてる様、えれあ様、emiru様、siroyagi2様、青い鳥様、りんこう様、SILENT様、くらま様、404様、sig様、Enrique様、kiyo様、yoku様、ken様、yam様、optimist様、mimimomo様、兎座様、扶侶夢様、ねじまき鳥様、miffy様、砂漠のラクダ様、大善士様
皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2013-07-21 22:03) 

アヨアン・イゴカー

Kanna様
このタペストリー、見た後、暫く頭の中で中世あるいはルネサンス期の人々の世界が浮かび、少し憑かれたようになっていました。
PCなどなくとも、紙と筆記用具があれば描きたい時に描けるので、絵と言うのは本当に便利で素晴らしい芸術だと思います。
今日は、光沢紙を使って名刺を18枚作りました。それと、『文化祭(鰯の埋葬)』の絵も、光沢紙に印刷してみました。光沢紙というのは綺麗に印刷できますね。

Enrique様
有難うございます。今回のものは、写真に撮った段階で、原画の雰囲気が大分変わってしまいました。黒を背景に、その上に明度の高い色で花や動物などを描く今回の方法、これは再度やってみたいと思っています。今回は明度が不十分でしたので。
by アヨアン・イゴカー (2013-07-21 22:25) 

tree2

このタピスリーが見たいばかりにパリにいった私です。
クリュニー美術館の建物ものも古く、いい感じでした。
写本がたくさん見られたのも収穫でした。
by tree2 (2013-07-28 15:26) 

アヨアン・イゴカー

tree2様
歴史で習ったクリュニー修道院、宗教改革の修道院ですね。設立は平安時代頃ですから、きっと建物も素晴らしいのでしょうね。職場の美術の先生にも現地にゆくべきだ、と強く薦められました。
by アヨアン・イゴカー (2013-07-28 16:10) 

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