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琳派風 - 色塗り練習 [絵画]

琳派風.JPG 昨晩、色塗り練習を始めました。構図が大好きな尾形光琳の『紅白梅図』を参考にしましたが、横長の屏風に対して私の作ったカレンダーの裏紙は18センチ四方なので、構図は大きく変えなければなりませんでした。模写をするつもりはありませんので、細部を似せようとはしません。単に、水彩絵の具やインクの乗り、発色などを確認するのが目的です。
 今回使用したのは、前回同様三菱鉛筆の12色水彩色鉛筆、ホルバインの水彩絵の具(holbein artists' water colors 12 : colors set),ペンテル水彩絵の具12色、13本入り(白が2本入っていてお得!)、サクラクーピーペンシル12、三菱黒ボールペン、ゼブラ黒ボールペン、墨、筆、シェーファー万年筆。最初は三菱鉛筆の4Bと2Bで下書きをしました。
 ホルバインの絵の具は、随分昔に買ったものですが、流石に発色が宜しく、絵が華やかになったように思いました。そのうち、新宿の世界堂でもう少し色を買いたそうと決意した次第。
 小倉百人一首のカルタのように、絵の上に和歌でも書こうと考えていましたが、止めました。この絵に合う歌が思いつかなかったからです。そんな時には、とりあえず放っておくのが一等いいのです。自分で絵と文字を書いて、小倉百人一首を作ってみたい、と30年も前から思っています。なかなか実行に移しませんが。
 光琳のこの『紅白梅図』を見ていて、下書きしながら、また琳派風の絵に色を塗りながら、実に平面的な絵だと感じました。同時に、なんとデザイン的な絵であろうか、とも。そして舞台美術に相応しい色彩、構図なのだろう、とも。光琳の『紅白梅図』には遊び心が溢れていて、趣味人同士がお互いの審美眼を競っていたのだろう、と想像できます。「粋にゃぁ、理屈はいらねぇ。」(江戸弁で言やぁ、こうなるでがしょう。)尾形先生、どのように仰っていたか気になるところであります。京都弁風であれば「粋ちゅうもんは、理屈を言うたらあきまへんで。」とでもなるのでしょうか。いずれにせよ、江戸文化の奥行きを感じる屏風です。
 
 ゆかしくば 行きても見ませ ゆきしまの いはほにおふる 撫子の花  
 
 金塊和歌集 166
 
 さ夜更けて 蓮のうき葉の 露の上に 玉とみるまで やどる月影
 
 同  167
 

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コメント 20

ナカムラ

光琳は呉服商の家に生まれたので、着物の柄にかこまれて育ったのが彼の平面的な画面の謎ではないかと思います。でも大胆な構図ですね。宗達が扇屋。琳派はデザイン的にですね。
by ナカムラ (2009-07-26 14:28) 

すうちい

この絵は真ん中の水流が女性で、右の木が男性っていう謎解き説がありますよね。
金箔に見えるところに金がほとんど使われていなかったり、不思議な絵ですよね。
by すうちい (2009-07-26 22:23) 

mimimomo

以前わたくしは俳画と俳句をやってみましたが
所詮才能のない身・・・途中で挫折しました(__;
by mimimomo (2009-07-27 04:13) 

SILENT

中央に流れる川の渦は
大河のイメージですよね
ダイナミックで川のシルエットと
渦巻く波が本当に凄い
ありえないような川と古木の梅
盛り上がってくるような うねりを感じます
by SILENT (2009-07-27 05:39) 

A・ラファエル

ボールペンと水彩絵の具を組み合わせるって不思議な発想に感じます。
ボールペンも水性インクのものを使用されていますか?
by A・ラファエル (2009-07-27 09:02) 

yakko

お早うございます。
私にもこういう芸術の世界を解せる感性がほしいです。
by yakko (2009-07-27 09:50) 

こうちゃん

ご訪問、ありがとう。
by こうちゃん (2009-07-27 13:26) 

doudesyo

今晩は。
いろいろな画材を使うのは楽しいですよね。昔は混合技法とかいってましたが、最近はあまり気にしなくなってきてます。写真では分かりにくいですが、それぞれの画材のディテールによる質感の違いも面白いのではないでしょうか。
by doudesyo (2009-07-27 23:26) 

いっぷく

光琳風なんとなくごく自然に頭の中にクリムトが浮かんできました。
どこか深いところでむすびついているのかもしれません。
楽しいですね、自分なりに表現をしていくのは。
ホルバインの絵具は顔料がいいのでしょうかね、いい色出ますね。
by いっぷく (2009-07-28 08:33) 

SAKANAKANE

まるで金箔かのような色彩が表現できていて、スゴイですね!
上に和歌を書くのであれば、デザイン的にも色彩的にも、また違った風にした方が良いような気もします。
by SAKANAKANE (2009-07-29 06:56) 

アマデウス

前回の坂村真民さんの詩に接し、自然をこよなく愛した偉大な画家「田中一村」を思い出しました。
by アマデウス (2009-07-31 09:19) 

アヨアン・イゴカー

もめてる様、yuki999様、sak様、お茶屋様、ナカムラ様、takemovies様、さとふみ様、夢空様、えれあ様、アリスとテレス様、orange-beco様、toraneko-tora様、Chinchiko-Papa様、すうちい様、optimist様、てんとうむし様、ララアント様、Zak様、mimimomo様, SILENT様、kaoru様、mitu様、くらま様、A.ラファエル様、Krause様、yakko様、flutist様、こうちゃん様、チョコシナモン様、めりっさ様、pace様、mouse1948様、扶侶夢舎様、olive様、masugi様、HEIJI様、doudesyo様、sig様、めぎ様、SORI様、いっぷく様、kakasisannpo様、ゆきねこ様、SAKANAKANE様、lamer様、aranjues様、イリス様、父ちゃん様、+k様、yasumi様、アマデウス様 皆様 nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2009-07-31 14:00) 

アヨアン・イゴカー

ナカムラ様
現代の我々は、日本美術、西洋美術、原始美術、近代美術いろいろな分野の物を見ることができます。江戸時代は、他の文化と自国文化を比較することが殆どできませんでした。そう考えると、琳派の作品は、どのように当時の人びとの目に映ったのだろうと、視点、審美眼の変化なども気になります。

すうちい様
謎解き。ブリューゲルの絵にも、いろいろな寓意が隠されたりしているようですが、そういう謎があるのも面白いですね。

mimimomo様
俳画ですか?
私の伯父は医者ですが、俳句を作ります。その弟の伯父は絵描きで、兄の俳句に絵を描いたことがありました。俳句と画、詩と絵。この組み合わせ、大好きです。
実は、私はこのブログに、詩と絵を一緒にして公開したいと考えています。今、その準備・練習をしている訳です。
第一作は『第一詩集』より『ゴアの波止場のお嫁さん』にするつもりです。

SILENT様
光琳の『紅白梅図』は、実に抽象的な絵画ですね。実にデザイン的な波、川の形、阿吽の形で左右に立っているような梅。全てが象徴的、抽象的です。それでいて、梅の枝など、くの字に剪定されていてその美しさが具体的に凝縮されています。地衣類も実に装飾的に配置されています。
優れた作品は、見るものを魅了して、刺激して已みません。

A.ラファエル様
ボールペンは油性です。
どのような線や色や筆が自分にあっているのか、まだ模索中です。

yakko様
私は、好き嫌いが芸術の始まりだと思います。

こうちゃん様
宜しくお願いします。

doudesyo様
まだはっきり分かりませんが、私にはペン画が比較的向いているのではないかと感じてはいます。ボールペンやペンで描くのが好きです。ボールペンで細部に線をいれると、なぜか納得できたりします。

いっぷく様
ホルバインの絵の具、古いので使えないかと思っていたのですが、どっこい、しっかりとその色を見せてくれました。
確かに、クリムトの絵は屏風画かもしれません。壁画のようでもありますが。

SAKANAKANE様
そうですよね。和歌を書いたりするのであれば、絵と文字と和歌の三つが調和するようにしなければなりませんものね。それで文字を上に書く気にならなかったのですが。

アマデウス様
田中一村、NHKでいつか紹介していた記憶があるのですが、しっかりと見なかったので覚えていませんでした。ネットで調べてみて、その絵を見てやっと思い出しました。日本のゴーギャンと呼ばれているそうですね。
『アダンの木』『奄美の杜』などを見てみました。博物学の挿絵のような印象、ゴーギャンと言うよりはアンリ・ルソーのような幻想的な世界、『奄美の杜』などは装飾的ですらあります。
描いている対象の特徴にもよるのでしょうが、独特な世界があると思いました。
早速、図書館の本2冊を予約しました。

by アヨアン・イゴカー (2009-07-31 14:34) 

アヨアン・イゴカー

空楽様、くーぷらん様、駅員3様、ハギマシコ様、旅爺さん様、青い鳥様 nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2009-08-01 08:22) 

弁慶

アヨアン・イゴカーさん
くまらさんからのご来訪、nice&コメントありがとうございました。
多彩な芸術才能、凄いですね♪

これからもよろしくお願いいたします。

by 弁慶 (2009-08-01 08:45) 

duke

このような素晴らしい「色塗り」の話題を前にして、
他愛もない「ぬりえ」の話を書いてしまいました。
恥ずかしい!でもレベルが違うので関係なかったですね^^;
美しい色合いですね^^
by duke (2009-08-01 17:18) 

にすけん

 おお、凄いことをやっておられますね。私は20年前、若冲の絵がターニングポイントとなって、それまで苦手だった日本画の世界観に踏み込むことができました。
by にすけん (2009-08-02 15:51) 

アヨアン・イゴカー

弁慶様、duke様、lapis様, shin様、ぽぽろ様、にすけん様、麻里圭子様 nice有難うございます。

弁慶様
弁慶というHNが好いですね。宜しくお願いします。

duke様
今日も職場(会社)で、美術の先生をしている人と池大雅と与謝蕪村について、文人画についてちょっと話をしました。彼は絵に文字は必要か、絵は絵だけで独立すべきではないか?文章は文章で、絵は絵で独立すべきではないか、と言う見解でした。
私の画家の伯父は、現在は知りませんが、以前文字に芸術性を認めなかったようです。私は、文字に大いなる芸術性を感じます。

にすけん様
私もどちらかというと日本画は苦手でした。どう判断していいか分からなかったからです。形式主義的に思われ、画題も構図も紋切り型のようで。しかし、今では好きなものとそうでないものとがはっきりしています。


by アヨアン・イゴカー (2009-08-03 22:09) 

risingmoon

はじめまして、先日はご訪問ありがとうございました^^
尾形光琳の絵からインスピレーションを得られたのですね。クリムトにも通じるものを感じました。

by risingmoon (2009-08-10 15:39) 

アヨアン・イゴカー

risingmoon様
クリムトの絵は、確かに襖絵のようなところがありますね。クリムトは遠近法は重視しないで、平面的な画面構成で描きますね。
by アヨアン・イゴカー (2009-08-13 16:13) 

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