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コメディオンザボード年忘れスペシャル公演を新宿のSPACE雑遊へ見に行く [日記・雑感]

 今日は新宿三丁目にあるSPACE雑遊で上演されるコメディオンザボードの年忘れスペシャル公演『レッツラ ゴー!ブラボー楽団』を観に行く。昨日、2008年12月26日の金曜日から明日12月28日の日曜日まで、合計5回の公演である。今年6月に両国のシアターΧ(カイ)で『アチャラカ荘の人々』が上演されたが、今回は同じ登場人物たちの持ちネタのお披露目公演である。
 この小劇場は新宿三丁目のC5出口の向かい側にある。雨にも濡れず、風にもさらされず非常に便利な場所ではある。しかし、ロビーがないので、客は歩道をロビー代わりに使うしかない。通行人は何事かと思うかもしれない。何しろ、そこに小劇場があるとはぱっと見には分からないのだから。今日は寒い日ではあったが、雨風がなかったのは運がよかった。これで霙でも降ろうものなら、いやはや、トイレも一つしかないようで、大事である。基本的には芝居などに出かける時は、体調を整えておく必要がある。さもないと、折角の時間を目的以外のことで費やし、不快感の方が多く残ってしまう。
 今日は混んでいるらしいとの前情報があり、一時間前の整理券配布には間に合わせるつもりだったのだが、出遅れて開演50分前に到着。地下一階にある劇場への階段を下りてゆくと、下には机を置いた受付があり、既に前に二人人々がいて整理券を受け取っている。私の番号は35番だった。100人ほどの席しかないので、これは結構危ない番号に思われた。整理券を貰って、会場までの15分位の時間にすぐ近くにある世界堂へ水彩色鉛筆を買いに行こうと振り向くと、会社の同僚が夫婦で来てくれていた。
SSCN0149.JPG 開場時刻に戻ると、整理券順に公道の歩道を使って、列を作っている。30番以降は列を作る場所がないので、「この辺に居てください。」と言う。こういう手作り感が、私は好きである。綺麗な劇場のロビーで待っていて、時間になったら指定の席に、ゆっくりと坐る、と言うのも勿論悪くはないが。役者達も、出てきて誘導したりしている。
 中に入ると、すぐに席が埋まってしまう。開演を待っていると、切れることなく人が入ってくるので、最終的には通路にも椅子を置いて坐ることになる。その状況に対して、役者が本当に申し訳なさそうに、頭を下げながら案内しているので、好い人なのだろうな、と思う。舞台は今まで見た劇場の中でも、かなり小さい。楽屋も2畳位しかないという話なので、いやはや本当に劣悪な場所である。それでもいいのだ、これが小劇場の面白さなのだから。
 舞台が始まった。一瞬真面目な司会のように見えるciceroneによって、演目が紹介されてゆく。ピアノとフルートとクラリネットの三重奏で、エルガーの『愛の挨拶』が始まる。続いて、年配の蝶々夫人が派手な着物と髪飾りを付けた18歳役で、『ある晴れた日』をピアノの伴奏で熱唱。最後の高音域部分では、ガラスが割れる効果音。その後はウグイス姉妹による漫才。出し物は、腹話術、腹芸、バレエ、手品、的屋、ジャグリング、テレフォンショッピンクの再現、落語など続々と披露される。上演時間は2時間25分と言う長さで、途中10分の休憩があった。
 今回は筋がある芝居ではなく、役者たちの持ちネタを最大限、面白おかしく披露するのが目的のようなので、それは達成しているのではないかと思う。矢野陽子さんは、本当に滑稽なおばちゃんだと思う。人間はこうやって独特の味が出るまで、一つのことをやり続けるのがエライのだ、と思った次第。手品も前回やったものと同じだが、話術や雰囲気によって、見せ場を作り出すので、手品は小道具にしか見えない。
 この矢野さんと里村さんたちが、三味線を弾くところがあったが、下手な三味線の下手さを口で補う技など、笑いの基本がしっかりしている。そのため、下手であることが全く感じられない。そして口三味線で津軽三味線を三人で演ずるところなどは面白く見ることが出来た。
 今回はいくつか新しい要素があった。一つは、手品をする矢野さんのお師匠さんと言う《日替わりゲスト》花島世津子さんが、話術と手品を披露したことである。トランプやハンカチを使ったものであるが、軽快な、そしてクラシック風のBGMに乗って、綺麗に演じて見せた。そして、ジャグリングには新人が入り、随分立派な戦力補強になった。
 年忘れスペシャル公演と言う名の通り、楽しめる内容の舞台だった。
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コメント 10

ミモザ

小劇場ってこんな感じなんですね。初めて知りました。
>人間はこうやって独特の味が出るまで、一つのことを
やり続けるのがエライのだ・・なるほど、私の苦手なことです(^.^)
年忘れに楽しめて良かったですね。
by ミモザ (2008-12-27 20:58) 

mimimomo

おはようございます^^
こう言うのはわたくしには全く未知の世界です。でも想像するととても面白そうですね~
>人間はこうやって独特の味が出るまで、一つのことをやり続けるのがエライのだ、と思った次第。<という所で大きく頷いて読みました~^^
by mimimomo (2008-12-28 04:52) 

doudesyo

おはようございます。
手作り感がたまりませんね。本当ですね、役者の方々とともに小劇場を作り上げていくという一体感みたいなものを感じます。大きなところですと、ご紹介されている、見せられているという感じがありますが、こういったライブ感がとても大切なんだと思います。
by doudesyo (2008-12-28 07:19) 

yamagatn

素敵な楽しそうな講演ですね
ご訪問くださりありがとうございます
年末で忙しいと思いますが、体調にはお気をつけくださいませ
広告やランキングがある場合は喜んで押させて頂きます
by yamagatn (2008-12-28 07:56) 

僕もくま私もくま

新宿三丁目のC5出口にある小劇場って、
全然気づかなかったです。
今度、近くへ行ったときどのへんか見てみたいです。

それよりなにより、楽しめた舞台で良かったですね!!
by 僕もくま私もくま (2008-12-28 09:02) 

旅爺さん

2時間半も色んな芸で楽しめるなんて退屈しないし楽しいですね。
少し早いですが今年は楽しい記事を有難うございました。
良いお年をお迎えくださいね。 来年もよろしくお願いいたします。
by 旅爺さん (2008-12-28 19:27) 

yamagatn

ご訪問くださり頂きありがとうございます
ただ今島根に旅行中のため、コメントは控えさせて頂きます
師走の忙しい時期ではありますが、体調管理には
是非ともお気をつけてくださいませ
広告、ランキングがある場合は押させて頂きます
by yamagatn (2008-12-29 14:35) 

アヨアン・イゴカー

サチ様、さとふみ様、kakasisannpo様、お茶屋様、orange-beco様、Krause様、めぎ様、toraneko-tora様、ChinchikoPapa様、takemovies様、mitu様、スー様、aia様、olive様、shin様、くらま様、gaiagear様、ララアント様、optimist様、lapis様、いぬ様、piattopiatto様、nyanco様、夢空様、アリスとテレス様 nice有難うございます。

ミモザ様
小劇場にも種類があると思いますが、ここは小さな劇場でした。
最近、一つのことをやり続けることの大切さをつくづく感じます。

mimimomo様
未知のことは多いですね。恐らく、楽しいことは沢山あるのだと思いますが、身は一つなので、より好きなものをやっているのでしょうね。

doudesyo様
このような小さな劇場では、観客と役者の距離がありません。そのため
、仰るように手作り感、ライブ感があります。

yamagatn様
今回の公演は、芝居ではなく、出し物の連続でしたので、気楽に楽しむことが出来ました。

僕もくま私もくま様
こういう小さな劇場は、本当に関心がある人か、情報を事前に持っている人で無いと、なかなか気付かないと思います。何しろ、地下一階にあるのですから。

旅爺さん様
そうですね、2時間半深刻な芝居を観て、唸っているよりは、笑っている方が楽しいですね。
姉が旅爺さんさんのファンです。来年も宜しくお願いします。



by アヨアン・イゴカー (2008-12-29 19:08) 

SAKANAKANE

こういう小劇場の舞台の雰囲気って良いですよね。
テレビ芸人さんばかりが持て囃されますが、こういう真の芸人さんの芸を、生で見てみたいですね。
by SAKANAKANE (2008-12-30 15:02) 

アヨアン・イゴカー

デザイン屋様、ハギマシコ様、たーチャン様、toshiro様 nice有難うございます。

SAKANAKANE様
テレビの芸人ばかりがもてはやされる、そのように作られていますね。
らーめんずのような実力派は、テレビに出ませんが、こういう生き方はとても好いと思います。

by アヨアン・イゴカー (2008-12-30 19:49) 

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