映像作品『引越し』を全面的に見直す

　もう三年以上前に、自分の日記に書かれていた一つの出来事を、シナリオに書いた。それは、しかしながら思ったように書き上げられなかった。シナリオの基本として書かれている起承転結や、意外性、面白い展開なども意識したことが原因かもしれない。シナリオの勉強をしている知人にも読んでもらったが、かなり厳しく細部まで不備を指摘された。端的に言えば酷評された。
　彼の指摘に従って、何度も書き直してみた。しかし、少しも納得できない。考えて見ると、私自身はこの日記の内容の詩的な部分に面白みを感じているのだが、原文を知らない彼はその部分は全く分からないから、あくまでも面白いシナリオはどう書くべきかにこだわることになる。ここ数年、時々シナリオに手をいれたりしていたが、満足できなかった。
　今回、原点に戻ることにした。役柄を当てて演ずるシナリオとしてではなく、朗読劇にし、詩的な部分を背景画、紙人形（時にはペープサートも使用？）で表現し、「映像詩」とすることにした。そう思ったら、さっそく、台本をそれ用に書き直すことができた。今日、絵コンテも描き始めた。


　この絵は、文章には関係のない、思考中の手遊び。

コメント 5

論文の査読を受ける時などでも，こちらの意図に反した指摘を受ける事があります。むろん納得できるのなら良いのですが，納得できない時は，「こういう意図だから」という事で通り元のままで行きます。ただそれなりの第３者が感じたということも尊重して誤解招かないような表現に直すこともあります。
芸術作品の場合はまた別なのかもしれません。正確さ重視の学術論文とは違い，表現者にも受け取る方にも，それぞれの感じ方があっても良いのだろうと思います。
by Enrique (2021-06-20 21:45) 

私も４０年近く、台本を数多く書いてきましたが、サークルの仲間に
これで良し、と１００％言われたことはありません。
「なるほど」と思う指摘もあれば　「私はここはゆずれない」という点も多々あり、それらはすべて　話し合いで解決してきました。
私はプロではないので、すぐに譲りますが、アヨアン・イゴカ―さんは
ご自分のポリシーをまっすぐに通して良いと思います。
by へこきあねさ (2021-06-21 10:35) 

＞今回、原点に戻ることにした・・・そう思ったら、さっそく、台本をそれ用に書き直すことができた。
なんか腑に落ちないところがあったのですね。ご自身の感覚がしっかりしているので、それでいくのが一番ですね。流石です！
by momotaro (2021-07-02 14:46) 

carotte様、kazg様、Chinchikopapa様、トックリヤシ様、tomi_tomi様、ビタースイート様、いっぷく様、yam様、ネオ・アッキー様、かずのこ様、めもてる様、Enrique様、さとふみ様、鉄腕原子様、＠ミック様、芝浦鉄親父様、シラネアオイ様、lamer様、くらまさま、八犬伝様、Damubo様、momotaro様
皆様訪問とnice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2021-07-02 16:07) 

Entrique様
論文でもそのようなことがあるのですね。
＞第３者が感じたということも尊重して誤解招かないよう・・・
こういう態度はとても大切ですね。
仕事で、数年間ほど地域内のスタッフに対する短い文書を週一回作成することがありました。その時はその業務内容を全く知らない女性に読んでもらって、初めて読んでも分かるような内容にするようにしていました。

創作については、最近、分かってくれる人、通じる人が一人だけでもよい、と考えるようにしています＾＾；
角を矯めて牛を殺す、のようなことになることをむしろ危惧しています。もちろん、意見を聞いて的確な場合には変更しますが。

へこきあねさ様
結局は、自分が気に入るようにしか書けないのだと思います。そうでなければ、それは他人の作品で、自分の手を離れて、自分の物ではなくなってしまう、そんなことを目指して書いているのではない、と。

momotaro様
自分の描きたいものが何か、それが明瞭でない時もありますが、方向だけは分かっています。その方向に向かっているうちに、だんだん鮮明になってきます。完成するころには、明瞭になっています。
その方向に向かっている時に、別の道をあれこれ示されると、自分はそっちへ行きたいのではない、本来の道に戻らねば、そんな風に感じたのです。
by アヨアン・イゴカー (2021-07-02 16:30)