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本の装釘をしてみる [日記・雑感]

20180107詩集の装丁DSCN3808.JPG 今日は、先日従妹に宣言していた私家本を製作してみることにしました。世田谷文学賞の秀作入選や白鳥省吾賞で優秀賞などを受賞しているのに、私の兄弟では私しかその詩を読んでいないのが残念で、せめて隣に住んでいる姉には読んでもらえるように詩集を作ったほうが良かろうと考えたわけです。
 最初は挿絵をいれて作るなどと大言壮語していたのでしたが、いざ取り掛かってみるとこれは大変に難しく、時間も掛かることが分かりました。A4判を横にし、左右二等分しA5判にする。全体で54ページの場合には、4の倍数の56ページにし、裏表で印刷する紙の枚数を16枚に。1ページ目が左側に来る設定の場合には、一枚目の紙の裏面には左に1右に56ページを、表面には左に55と右に2ページを配置。こんな原稿を間違いなくコピーして張り付けるだと?それも16枚分56ページも?軟弱な人間なので、否、潔い人間と申せましょうか、方針をすぐさま変更するに至ったのであります。
 結局はA4判の紙を半分にカッターで切って、使ったことのないA5判用紙に両面印刷し、それをメモパッド方式で、背中をボンドで固定して製本することにしたのであります。
 こんなに手間が掛かるので、軟弱男、否潔い男の本領発揮であります。3冊作る予定をあっさり変更し、2冊のみにすることにしたのであります。1冊はこの詩を書いた従妹に献呈したいと思っております。もう1冊は私め用でございます。時折取り出しては悦に入るのではないかと考えております。天下に2冊しかない私家本詩集なのであります。(従妹がいつ出版するのかは分かりません。今回は手製の私家本を作ることの了解は得ております。)
 写真は、右から裏表紙、表表紙、中味、見返しであります。表紙には厚口のA3判画用紙を買ってきて、カッターでA5判まで小さくしました。本日、本文のA5×32枚は背の部分を木工ボンドとちり紙で固定してあります。明日、乾燥してから表紙をボンドで貼り付ける予定であります。

 ※装釘と言う文字は、「暮らしの手帖」編集長だった学識のある花森安治氏の拘りを尊重しこれを使っております。

20180108製本最終固定中DSCN3809.JPG昨晩ボンド付けしたものを、表表紙、裏表紙と本文を、本日更に合体させた状態。従妹には近々完成版を送る予定。「小鳥に説教するアッシジのフランチェスカ」風の絵が表、『謀議』/『エッシャー風(連続する小鳥と人の顔)』が裏表紙。

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mimimomo

おはようございます^^
非情に貴重な本が出来ますね。わたくしなどはきっと面倒で途中投げ出してしまいそうです。
by mimimomo (2018-01-08 07:03) 

mimimomo

あら、非情の字が(><; 非常です。今年は気を付けようって思っていたのにねぇ~ すみません。
by mimimomo (2018-01-08 10:36) 

雉虎堂

この世に2冊しかない私家本、素敵ですね。
『小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ』
ジョットの絵も、聖フランチェスコのエピソードも
大好きです。
by 雉虎堂 (2018-01-08 16:41) 

Enrique

IMSLPなどでダウンロードしたページ数の多い楽譜を製本する事が時々ありますが,adobeのpdf印刷で小冊子を作るプリントモードを使っています。これを手作業でやるとすると想像を絶します。貴重な私家版ですね。
by Enrique (2018-01-09 10:05) 

Kanna

目標は高く、でも今の自分or現状ではキャパオーバーだと気付いた時は潔く諦める、または変更するという機転の良さは、物作りをする上で大切な要素ですね^^
私も「こりゃダメだ!」と思った時は、すぐに別の方法を探し、そちらの方法に切り替える事が多々あります(笑)
結果的に世界に2冊だけという希少価値の高い本が完成し、成功だったのではないでしょうか(*^^*)
蒲鉾板の木版も拝見いたしました!^^
パッと見た瞬間はどこまでが版画部分なのか分かりませんでしたが、蒲鉾板に彫られたワンちゃん(猫ちゃんにも見えますね^^)を1匹ずつ横に並べて捺されていたのですね、納得納得(*^v^*)
by Kanna (2018-01-09 13:57) 

ぜふ

私家本いいですね。しかもカラーで。
装釘という表記ははじめて知りました。
by ぜふ (2018-01-14 09:01) 

アヨアン・イゴカー

soramoyou様、lequiche様、@みっく様、鉄腕原子様、mimimomo様、ビタースイート様、middrinn様、majyo様、扶侶夢様、トックリヤシ様、かずのこ様、めもてる様、えれあ様、carotte様、雉虎堂様、Mitch様、ChinchikoPapa様、くらま様、八犬伝様、うめむす様、せとっこ様、旅爺さん様、Enrique様、ぼんぼちぼちぼち様、caveruna様、森田恵子様、doudesyo様、ぜふ様
皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2018-01-14 09:49) 

アヨアン・イゴカー

mimimomo様
結構手間が掛かるので、二冊にしてしまいました。
従妹も喜んでくれました^^

雉虎堂様
アッシジのフランチェスコは、小鳥に説教すると言う行為が仏教にも通じるようで好きです。万物に神がいて、神聖で、価値がある、華厳経のような考え方が私は好きです。

Enriuqe様
adobeには、やはりプリントモードがあるのですね。
今回は時間が掛かるので断念しましたが、両面印刷して綴じる場合の原稿作りは、PCにやらせた方が断然早いとは思っておりました。

Kanna様
不可能ではないけれど、そんなに時間を掛ける必要はないと考え、さっさと尻尾をまいて逃げることにしました。
蒲鉾板の木版画、御明察の通り、5回刷りました。上から朱印を二箇所に押しています。これらの朱印は「東海道五十三次画庄野 風」にも使用しています。

ぜふ様
装釘という表記ですが、他には装丁、装訂、装幀などがあります。花森氏の考えでは、
幀という字は本来掛け軸、本は掛け軸ではない、訂と言う字は誤りを正すという意味、乱丁落丁を正すだけなら装訂でもよい、・・・作った人間が釘でしっかりととめなくてはいけない。書物はことばで作られた建築なんだ・・・『花森安治の編集室』唐澤平吉(文春文庫)p171

この拘り、衝撃を受けけました。こういう人に出会いたかったと思いました。
by アヨアン・イゴカー (2018-01-14 10:21) 

lamer

今年もよろしくお願いいたします。
by lamer (2018-01-14 21:58) 

mimimomo

おはようございます^^
お従妹さんもお喜びになられたのですよね~素晴らしいプレゼントですもの。
今日は珍しく当地、千葉も雪が積もっています。しんしんと底冷えがします。
by mimimomo (2018-01-23 06:04) 

アヨアン・イゴカー

lamer様
今年もよろしくお願いします。
ボロ市も、一度は話の種に言って見たいとは思っていますが、まだ行っていません。
小学校の時、世田谷区の歴史の授業でで習ったのですが、名前だけで終わっています。改めて見てみると、世田谷線上町/世田谷ということで、子供の頃思っていたより遥かに近かったことが分かりました。

mimimomo様
お早うございます。
コメント、有難うございます。
昨日は、帰宅指示がでたので、いつもより早く帰りました。17:00頃で、新宿は、19:00頃の渋谷ほどは混んではいませんでしたが、それでも1台は見送り、次の電車に乗りました。
帰宅後、吹雪いているなかで、雪掻きをしびしょぬれになり、栗の里の愉快な女房殿に笑われました。楽しくてなかなかやめられないでやっていたのですが、家に入って時計を見たら一時間半経っていました。浦島太郎のようです^。^場所によっては、こちらは川崎市の北の方ですが、30センチ以上は積もっていました。
by アヨアン・イゴカー (2018-01-23 08:45) 

唐糸

映像作品とはすごいですね~

あちこちで見られる? いえいえ、DVDにされる? のかも
しれませんね~♪

by 唐糸 (2018-01-24 15:25) 

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