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Ah, vous voilà, Elizabeth!制作日記 [日記・雑感]

 実際には、これは日記ではないけれども、題名としては『制作日記』になるだろう。今回作ろうとしている映像作品は、やはりビデオになるので時間が掛かる。最初に、この作品が完成するまでに3ヶ月以上掛かるだろうと宣言してしまうことにした。そうしたら、随分気持ちが楽になった。少しでもD20171209SCN3749.JPG早く完成させようと思っていたら、焦るばかりで制作がどんどん遅れる始めた。原因は簡単である。思いつきで、作りたいものを作っているので、肝心の全体的な構想が自体が迷走してしまったのだった。方向性と言うよりはこの短い物語は最初からはっきり決まっているのに。
 そこで今週は、この映像作品を仕上げる為に必要な物を列挙し、一つずつ作ってゆくことにした。作らなければならないもので筆頭に来るのは、舞台である。場面をしっかりと設置できる舞台がなければ背景、バックドロップも吊れないし、大道具の設置もできない。
 最初は安易に考えていて、段ボールで作ればよいと思っていた。ところが、段ボールは強度が全く不足していて、背景や大道具の設置や小道具を置くこともできないことがわかった。分かったというのは、実際に作ってみて、実にへな猪口な仕上がりになってしまい、早速お蔵入りにしてしまったのだった。補強のためにベニヤ板を打ち付ければよいと思っていたが、そんなことをするなら木材でしっかりと作ったほうが結局は応用が効くだろうと考えなおす。しかし、木材で作るとなると平日には作れないので、結局土日になるのである。何故、日曜大工というかがよく分かる。一定の纏まった時間と労力を必要とするので、平日には大工はできないのである。
 DSCN3750.JPG本日12月9日の土曜日は、当初床屋へ行く予定だったが、17:30からでないと予約が一杯だということなので、行くのを明日に変更し、大工仕事をすることにした。
 先ずは、設計図を描く。細い木材の小割が何本必要か、それをどのように加工する必要があるか。これを描いておかないと、効率よい仕事ができない。通勤途中に手帳に描いておいたものを思い出しながら、改めて一から設計図を描く。設計図と言っても直線ばかりの簡単なものだ。間口は60センチ、奥行き45センチ、高さ50センチだ。A2判の画用紙で背景画を描き、それを吊り込むことのできる大きさである。
 外に置いてある12尺ある小割を2本取ってくる。そして60センチ×2本、50センチ×4本、45センチ×4本を切り分ける。その後鉋を掛けるが、余り真剣にかけない。掛けられない理由は、小割の一部が節目のために撓んでいることである。材木は長時間寝かしておくと、本来生えていた時の癖が出てくる。だから購入した時にはどの材木も真直ぐだったのに、随分曲がっている木材もあるのだ。
 DSCN3753.JPG組み立てる為に、小割同士が交差する部分を削る。蝶ナットを買ってきて、分解ができるようにするのが最初の案だった。しかし、電気ドリルがないし、蝶ナットで固定して分解する必要がどの程度あるかを考えてみて、結局はそのまま釘を打ちつけて固定してしまうことにする。
 ということで、舞台枠が一応完成したので、それを使って紙人形や大道具の吊り込みをしてみる。それらを撮ったのが今日の写真である。描いた絵を一番後ろのホリゾント幕の場所に立て懸けてみる。その前にボサ(草叢)や紙人形を置いてみる。
 実際にこうやっておいてみることで、映像にする場合にはどのようになるかが分かる。何事も実際にやってみることが大切である。頭の中で創造していることとは大分異なっている。実際にやってみると想像していなかったことも起こりうるのだが、それは新たな刺激となって、別の発想に到達することもできる。
 ”Ah, vous voilà, Elizabeth”では、色々な小道具が必要になる。現実の画材店にはそのようなものは置いてないだろうし、実際そのようなものは必要ではないが、あった方が魅力的になるだろうと思われるのだ。そういう細々した小道具が沢山必要なのだ。今回、それをあれこれ作ってみることで、別の映像作品を作る際にもその経験が間違いなく活かされるだろう。

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mimimomo

おはようございます^^
色々本格的ですね。
by mimimomo (2017-12-10 06:32) 

majyo

舞台まで作られて映像作品とは
もう一人で何役もされるのですね。脱帽です。
完成をお待ちしています。
by majyo (2017-12-10 08:09) 

sig

こんにちは。
写真を見せて頂いただけで、立体感と緻密な奥行きが伝わってきます。
まさに創造の楽しみですね。
by sig (2017-12-10 14:41) 

森田惠子

今編集中の作品に使いたいと思っている言葉があります。
長年、上映に関わっている大先輩の言葉。
「毎日が勉強、毎回が勉強」
私もその言葉に励まされて編集作業をしています。
by 森田惠子 (2017-12-10 17:57) 

Kanna

楽しみですね!
アヨアンさんの作る小さな世界&舞台、まるでこれから人形劇が始まるかのような、そんなドキドキワクワクとした気持ちを覚えました(*^v^*)
制作は大変かと思いますが、その分、必ず素敵な作品に仕上がるはずだと思います(*^^*)
気長に頑張ってくださいね!
ちなみに私も現在、アヨアンさんの制作と似たような?作業をしているため、アヨアンさんの今後の制作過程がとても気になります(*^m^*)
by Kanna (2017-12-12 17:24) 

Enrique

色が綺麗で,何が出てくるか楽しみな画像です。
ゴーギャンかマティスの絵が動き出すようなドキドキを覚えます。
by Enrique (2017-12-15 17:44) 

アヨアン・イゴカー

@ミック様、鉄腕原子様、mimimomo様、majyo様、ビタースイート様、yam様、めもてる様、扶侶夢様、かずのこ様、carotte様、sig様、森田恵子様、Mitch様、はなみち様、雉虎堂様、ぜふ様、soramoyou様、lequiche様、旅爺さん様、シラネアオイ様、トックリヤシ様、ぼんぼちぼちぼち様、シルフ様、八犬伝様、せとっこ様、dumbo様、siroyagi2様、ネオ・アッキー様、Enrique様、ありさ様、miffy様、えれあ様、マルコメ様、くらま様
皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2017-12-17 22:24) 

アヨアン・イゴカー

mimimomo様
今回の映像は時間が掛かりそうです^^

majyo様
舞台と言っても、木枠にベニヤの床を張ってを作っただけですが。
それでもあるとないでは撮影する際に全く異なります。

sig様
どのような方向にするかは、まだ迷っています。
昨日、たまたまユーリー・ノルシュテインについてのクレア・キッソンと言う英国アニメーション研究家の本を買ってきました。どうも、自分がやってきていることとよく似ている気がするので、この路線になりそうです。

森田恵子様
今まで携わっていなかったことをする場合には、正に毎日勉強ですね。
調べなければならないと思っていることが、いくつもあります。同時にはできないので、一つずつ勉強してゆ句ことになると思います。

Kanna様
制作過程は、少しずつアップしてゆきたいと思っています。途中で、方向転換してしまうかもしれない、そういうのも面白いだろうと思います。
まず、木枠だけの舞台を、もう少し舞台らしくしなければなりません。
もう一枚の浮世絵の背景画(バックドロップ)、描き始めました。

Enrique様
ゴーギャンもマチスも好きです。
コマ撮りとビデオ撮影とを併用することになる予定です。

by アヨアン・イゴカー (2017-12-17 22:37) 

mitu

何事も実際にやってみることが大切である。

頭であれこれ考えて何もできないでモヤモヤしている今日この頃の自分に、この言葉が身にしみました
 まずは行動しなければ、何も始まりませんよね(^^ゞ
by mitu (2017-12-18 05:57) 

アヨアン・イゴカー

ChinchikoPapa様、mitu様、山子路爺様、lamer様、芝浦鉄親父様、caveruna様、kiyokiyo様、さとふみ様、kazg様
皆様nice有難うございます。

mitu様

コメント有難うございます。
もう、躊躇っている年ではなくなっていて、結構必死であります^^;
by アヨアン・イゴカー (2017-12-25 22:29) 

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