エリザベのための習作

　『そこを行くのは、エリザベ！？』の為の習作。モロさんのパリ時代の思い出の少女エリザベの顔は、私は全く知らない。モロさんは簡単に描写してくれた。しかし、現実の人ではない誰かをモデルにして絵を描かなければならない。そう思っている時に先月読み終わった『アンネの日記』のアンネ・フランクの写真を見ていたら、あぁ、自分が探していた少女はこんな風なのがいいのだと思った。それで、三枚ほど短時間で絵を描いてみる。既に映像のなかで登場しているのは、三枚目の絵である。今日習作として公開するのは一枚目に描いた絵。暫く放置しておいて、なんだかモナリザみたいな顔になったなと思っていた絵だった。それに彩色し、水性ペンで線も描き足す。

　写真にすると大分色が変わってしまう。背景は紫色のクーピーペンシルで塗ってあり、その上に水彩の黒を塗った。写真ではクーピーの紫色よりも、水彩の黒がよく捉えられている。
　今回、映像作品の準備をしながら、劇団時代の制作の仕事を思い出している。作る対象が好きになれば、一所懸命になれるものだ。劇団時代、人魚姫の顔を作る時、少しでも自分がかわいい、素敵だと思えるものに仕上げようと、何度も線を引きなおし、粘土も何度も削ったり付けたりを繰り返した。離れてみたり、近づいて見たり。ゼペット爺さんの仕事部屋の壁に吊る操り人形のローラを作った時、出来上がってゆくと、その姿が娘のようで、可愛くて胸がときめいた。サルカニ合戦のボス猿を作る時は、人を食ったような憎らしい顔でありながら、写楽の歌舞伎絵のように、眼が見得を切っているように作った。あぁ、あのボス猿の面は、長嶋武彦社長に褒めてもらった、「Ｈ君もお面を、大分作ったから、上手くなったなぁ。」と。
　今日は、『そこを行くのは、エリザベ！？』の舞台の大道具、立ち木を厚紙で作った。これはなかなか好くできたと思っているが、カメラで写したらどうなるのだろう。そして、茂みの中に隠れているライオンも、顔だけ作る。ルソーの『夢』のなかのライオンよりも、もっと間抜けな顔をしているかもしれない。
　※今日の写真の絵は、映像には登場しない。あくまでも習作なので。

コメント 8

こんにちは＾＾
情熱が傾けられる仕事は良いですね。
by mimimomo (2017-12-04 10:04) 

大きな画像ですね。
きっ，と一点を見つめる眼差しが印象的です。
by Enrique (2017-12-04 10:53) 

理知的な感じの女性です。
キリッとしているかなあ？
by majyo (2017-12-04 12:50) 

少女の絵、とっても可愛いですね！（*＾＾*）
本番用？には使用されないとの事で残念です（もったいない 笑）
そして遅ればせながら、「Destino」の動画、拝見して来ました＾＾
Destinoの場合はアニメーション風でしたけれど、アヨアンさんの場合は紙人形+写真（または絵）を使用した動画になるのですね？＾＾
どのような仕上がりになるのか想像出来ない分、今後の制作がとても楽しみです（*＾v＾*）
by Kanna (2017-12-05 12:31) 

とても楽しみです。
今日はなぜかniceが押せました。当たり前なのに、ずっと押せなかったことが押せるようになっただけでうれしいものですね。笑
by sig (2017-12-05 17:45) 

「作る対象が好きになれば、一所懸命になれるものだ。」
本当にそうですね。
アヨアンさんのこの一言から、昔歴史の教師だったころの、
教材を引っ張り出して、眺めてしまいました。

by 雉虎堂 (2017-12-09 16:50) 

くらま様、ビタースイート様、扶侶夢様、mimimomo様、ChinchikoPapa様、＠ミック様、Enrique様、めもてる様、carotte様、majyo様、鉄腕原子様、caveruna様、森田恵子様、Mitch様、ありさ様、たかおじー様、せとっこ様、マルコメ様、かずのこ様、siroyagi2様、sig様、soramoyou様、ぜふ様、クリンクリン様、kazg様、さとふみ様、miffy様、雉虎堂様、シラネアオイ様
皆様nice有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2017-12-09 23:43) 

mimimomo様
映像は、舞台同様総合芸術なので、非常に興味があります。
いくつも作品を作ってみることになりそうです。

Enrique様
画像データが少々大きすぎました。この記事ではもう少し小さい方が全体像が見られてよかったかもしれません。

majyo様
アンネ・フランクは早熟で知的な少女でしたので、彼女風に知的に見ていただけたようで、嬉しいです。

Kanna様
"Destino"御覧になったのですね。ロマンティックでシュールなアニメーションで、私はダリ展に行った時に2度観てしまいました。
"Destino"とは全く内容が異なりますが、作り方に共通点がでてくるかもしれません。出て来ないかもしれませんが。
この絵は、あくまで、紙人形を作る前段階のものなので、使いようがないのです。多分。使ってしまうかもしれませんが、多分使いません。
制作過程を、Kannaさんのように紹介してゆくことになるかもしれません。

sig様
so-netさんは、たまにniceが押せないことがあります。時間を置いてからやってみると大概は押すことができます。

雉虎堂様
「歴史の教師」だったのですね。
劇団を辞めてから一度目指していたのは「歴史の教師」でしたが、そうならずに転職後は海運ブローカーになってしまいました。その後、海運不況になったので、再度転職しましたが。
時々、若かった頃の物を引っ張り出してみてみると、今の自分がやっていることと目指していたことの差に驚き、現在の自分の一部を軌道修正したりすることができます。過去を振り返ることは悪くないと思っています。
by アヨアン・イゴカー (2017-12-09 23:59)